2人だけのダンスホール（探鉱者） ページ10
荘園で年に1回開かれるダンスパーティーが終わり、先程までくるくると円舞曲を踊ってたサバイバーとハンターは散り散りに自分たちの屋敷に帰っていった。私はどうも帰る気にはならなくてもう少しだけダンスホールに居ることにした。
振り返ってみれば血と涙の匂いがするゲームばっかりの日々だったかもしれない、しかしゲーム以外になればサバイバーハンター関係なく交流する時もあった。そんな事を考えながら私はデミさんに貰った残り少ないお酒をグラスで転がしていた。
「…見つけた、Aはまだ帰らないの？」
後ろから聞こえるのは火傷跡が特徴的な彼の声だろう。いつもとは違いヘルメットは被っていなくて服装もタキシードに革靴という綺麗なものだった。
「うん……まだお酒飲み終えてないし…って！？」
「ん……ぷはっ、これジュース並に弱いやつじゃん。Aはもっと強いお酒飲んでる気がしたけど？」
なんと彼は急に私からグラスを取って少ないお酒を飲み干したのだった。突然の出来事に私は驚くことしか出来なかった。
「美味しかったよ、そう言えば…君ずっと踊って無かったけど体調とか悪かったの？」
確かにそうだった。私はダンスパーティー中は一切踊らなかったのだ。女性陣には申し訳ないが選んで着飾ってもらった黒いドレスは自分にとってはあまりにも不恰好で嫌だったしハイヒールは歩きづらくて妙に気持ち悪かった。だから踊らなかった、着飾った自分が嫌だった。
私はその事を彼に全て話した、すると彼はふっと微笑んだ。
「…2人だけなら僕以外見てないだろう、だったら今から踊ってもいいはずだね。不器用な僕のエスコートでいいならお手をどうぞ」
そう言いながら出される右手は少しだけ震えていた。私はそっと手を握ると彼は優しく私をホールの真ん中へとエスコートしてくれた。
ふたりのしあわせのあじ（占い師）※→←協力狩りのお相手は（白黒無常、リッパー）
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 187人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mase(プロフ) - みこさん» レスが遅れてすみません、ホセさんのお話はいつもより感情移入しながら書いたので喜んでくださって嬉しいです！ (2021年3月28日 23時) (
レス) id: a401997dcd (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - あぁ。ホセ、これからも幸せに生きて！！！ ホセの話めちゃめちゃ好きです！！ (2020年9月25日 1時) (レス) id: 04051e19ff (このIDを非表示/違反報告)
胡麻麦(プロフ) - みこさん» あまりウィルを書いたことがなかったので楽しかったです、リクエストありがとうございました！ (2020年9月12日 0時) (レス) id: a401997dcd (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - …ウッ！ウィリアムがかわいい。すき。ありがとうございます！！！ (2020年9月6日 1時) (レス) id: 04051e19ff (このIDを非表示/違反報告)
胡麻麦(プロフ) - みこさん» リクエストありがとうございます、遅くなるかもしれませんが書かせて頂きますね！ (2020年8月30日 16時) (レス) id: a401997dcd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：浅縹 | 作成日時：2020年4月18日 1時
