それは砂糖よりも甘いんだね【短編集】

貴女だけの紳士なので（リッパー） ページ6

優鬼というのは稀に見かける、試合に疲れたハンター達が時々気晴らしにやっていると話を聞いた。今日はリッパーが優鬼をしていて初めに気づいたカートさんとホセさんとアユソさんはリッパーさんとぐるぐる回りながら解読機を仲良く回しているように見える。

「おーい、子猫ちゃんはリッパーと遊ばないのか？あいつ薔薇杖持ってるぞ」

そう言いながら私をリッパーに合わせようとしたのかアユソさんが迎えに来た。

「あー…じゃあ解読機回してゲート開けてから行きますかね…」

「じゃあ解読には付き合おうじゃないか、僕が居れば早く終わるからね」

そう言いながらアユソさんは上機嫌で解読機を回し始めた、まぁこういう試合もたまには悪くないだろう。
―――
あれから通電してゲートを明け終わり試合のメンバー達とリッパーと合流した。他の3人がゲートから出ていったのを確認し私もリッパーに出ていこうとした瞬間だった直後だった。突然背中に鋭い痛みを感じダウンさせられた。

「…こういうのは紳士的では無いのですが…貴方はそうしないと逃げてしまいますので」

お詫びにと金衣装の彼は敬礼の意を示し、私を姫抱きに教会へと足を運んで行った。

「り、リッパー…なんで？」

「髭のサバイバー達も抱いてぶん投げて返してやろうかと思いましたけどね……ほら、こうすると挙式の様でしょう…？」

そう言いながら主祭壇の目の前に立ち止まり私の顔を覗き込む。彼の表情は仮面に隠れていて分かりづらいが嬉しそうなのは伝わってくる。

「でも他の人にもこうやって優鬼してるんじゃ……」

「馬鹿ですね貴方、私はAさんだけに優鬼してるんですよ。それを分かってないと……なら試合後は私の部屋に来なさい」

まぁその時は紳士では無くなりますがね、と言いながら彼は私を抱きながら地下室へと足を運んで行った。

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