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貴方に海の加護があらんことを(一等航海士) ページ21


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9月24日、天気は快晴で風も少なく波も穏やかだ。ホセさんに誘われて私は彼と一緒に小さめだがしっかり作り込まれている船に乗って海の上にいる。

「他の人を誘わなくて良かったんですか?」

「うん、私は君と日帰り航海旅がしたかったからね。他のやつがいればこんなに穏やかな時間は無かっただろう」

私を日帰り航海旅へと誘ってきたホセさんは立派な一等航海士だ。普段はアルコールを摂取してるからよく分からないけどそれが無ければこうやって穏やかに話してくれる。

「…所でA、君の出身国は確か芸者と同じジパングだったね。ジパングにも海の神様って言うのはいるのかい?」

「居ますね…ワダツミ…だったかな…。ごめんなさい、あまり詳しくなくて。でも…いっぱいいた気はするんです」

「それはギリシャ神話のポセイドンより厄介だね。ジパング、やはり不思議な国だ」

そう言いながら彼は開いていた懐中時計を閉じ空を見上げる。どうやら風が少し強くなり雲行きも変わり始めているらしい。彼は舵を手に取り岸へと引き返し始める。

「え、もうおしまいですか!?」

「あぁ…天候が少し悪くなってきたし日が傾いてきたし、早めに戻ろう」

「そうですか…あ、あの…、今日…ですよね…お誕生日おめでとうございます、これから1年幸せでありますように……」

ぼそぼそと私が呟くように彼に対して言いたかった言葉を告げる。すると彼はぽかんとしたが途中から笑い声をあげていた。

「ははは、そうかそうか!今日は私の誕生日だったな、よし、なら早めに引き返そう!君からその言葉を聞いてなければ今頃嵐に飲まれてたさ」

先程の穏やかな雰囲気とは違い普段は見られない笑い声と笑顔だった。

海よ、海の神よ、どうか一日だけでも彼を祝福してあげてくださいね。

はじめはウルトラマリン(画家)→←第1回 店主が休む間のオラトリオ会議(一等航海士、納棺師、調香師、芸者)



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設定タグ:第五人格 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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Mase(プロフ) - みこさん» レスが遅れてすみません、ホセさんのお話はいつもより感情移入しながら書いたので喜んでくださって嬉しいです! (2021年3月28日 23時) (レス) id: a401997dcd (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - あぁ。ホセ、これからも幸せに生きて!!! ホセの話めちゃめちゃ好きです!! (2020年9月25日 1時) (レス) id: 04051e19ff (このIDを非表示/違反報告)
胡麻麦(プロフ) - みこさん» あまりウィルを書いたことがなかったので楽しかったです、リクエストありがとうございました! (2020年9月12日 0時) (レス) id: a401997dcd (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - …ウッ!ウィリアムがかわいい。すき。ありがとうございます!!! (2020年9月6日 1時) (レス) id: 04051e19ff (このIDを非表示/違反報告)
胡麻麦(プロフ) - みこさん» リクエストありがとうございます、遅くなるかもしれませんが書かせて頂きますね! (2020年8月30日 16時) (レス) id: a401997dcd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:浅縹 | 作成日時:2020年4月18日 1時

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