それは砂糖よりも甘いんだね【短編集】

ベリーパンケーキ(魔トカゲ、泣き虫) ページ16

ロビーくんに甘いものが食べたいとおねだりされてパンケーキの材料とベインさんが森で摘んできてくれた果実たちが沢山あったのでベリーパンケーキを作ることにした。

「甘い匂いがしたからキッチンに来たのだが…何か作ってるのかね？」

2人でパンケーキを焼いていると先程起きたばっかりですなルキノさんが珈琲を淹れにキッチンにふらりと来た。試合がある日以外は自室で研究しているから目の下に隈があるのは確実だが、今日は隈が濃いような気がする。

「そう言えばルキノ、昨日からずっと部屋にこもってたけど…ごはん食べてないよね？」

「あ、あぁ…忘れていたね、ならそこにあるショートブレッドで…」

「そんなのダメ、ダメだからね！そうだ、Aとパンケーキを焼くからそれ食べようよ！ショートブレッドだけよりはマシでしょ？」

どうやら昨日から珈琲以外何も口にしていないらしい、生地を多めに作ってよかったかもしれないと思いながら私は2人のやり取りを聞きながらルキノさんの分のパンケーキを焼き始める。

3人分のパンケーキも焼けて果実と果実で作ったソース、ホイップクリームを乗せたら出来上がりだ。いつの間にか食堂で座って待っている2人に運んでから自分の分を運ぶ。

パンケーキは好評だった。ベインさんがとっておきの果実たちを選んでくれたからソースに砂糖をあまり使わなくてよかったし2人も美味しそうに食べていたから私も満足だ。

「おいしい、おいしいね！ルキノもそう思…ルキノ…？…寝てるね、お腹すいてて疲れてたからかな…？」

「ロビーくん、近くにブランケットある？ルキノさんにかけてあげよう。きっと疲れてたんだよ」

「うん…えっと、確かレオとジョーカーが洗濯してたからレオに聞いてみるね…」

足音を立てないようにランドリー室に向かっていくロビーくんを見送ると、いつもと違い穏やかそうなルキノさんの寝顔に付いていたクリームをそっと拭き取った。

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