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「まずは中央委員決めて、後はその人たちにお任せで。男女1人ずつだけど、やりたい人挙手！」
一瞬で、教室いっぱいに「・」が3つ並んだような空気になった。
「別に仕事は他の委員と変わらないぐらいの量しかないぞ。やりたい人いないか？」
この世の終わりのような雰囲気を察した先生は、「じゃあ男女で固まってじゃんけんでもやって、さっさと決めて」とだけ言った。
女子は渋々といった感じで固まって、静かにじゃんけんを始めた。
何回かあいこになった後、いきなり最後の5人まで絞られた。
何としても、負けることだけは避けたい。
特になりたい委員はないし誰かと一緒にやりたいというような仲のいい子もいないけれど、男子と二人なんて、絶対無理。
人前に立つのだって、苦手どころか苦痛だし。
なるべく仕事が少なくて人前で話すことのない委員……例えば、人権委員とか？
仕事は全然何もなくて名前だけらしい、とさっき誰かが話していたやつだ。
外野からの掛け声で、運命のじゃんけんをする。
出された手は、グー、チョキ、グー、グー、チョキ。
グーの子たちが、「やったー！」と歓声を上げて待っていた友達の方へと向かっていった。
「え〜、負けたんだけど」と言って私の前にいる子は、軽く巻いた前髪にポニーテールの、私とは真逆のタイプのすごくかわいい女の子。
私なんて、分厚い眼鏡をかけて髪も20秒で適当にくくっているだけだから、その子とは一緒の空間にいるのも失礼なぐらいだ。
いつの間にか、女子が決まってから決める、とかいう男子たちにも取り囲まれていた。
緊張感がマックスになったところで、最後のじゃんけんが始まった。
「最初はグー、じゃんけんぽん」
パーとチョキが、目の前に見えた。
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