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コ「優世さん?」
『・・・・』
表情がさっきまで明るかったはずの彼女が、急に黙り混んでしまった。
声をかけても返事はない。
優世さんは両手で握ったコップの中に視線を向けている。
沖「優世さん?」
沖矢さんが声を掛けてもそれを無視しているのか何も話さない。
一体どうしたっていうんだ?ただ名前を言うだけじゃねえか。
まさか言えない理由でもあんのか?
コ「どうしたの、優世さん?僕たちには教えられないとか?」
下から彼女を除き混む。
鋭い視線を彼女に向ける。
コ「ねえ、優世さん?何か喋ってよ」
『・・・め・・・』
コ「ん?」
『ごめ、んなさいっ………知らないの。分からないの……』
え?分からないって・・・
『姉さんの名前分からないの……』
沖「それはなぜですか?」
優世さんの顔全体が後ろ髪で隠れる。
この行動には、不安、悲しみ、申し訳なさ、それらが隠されていた。
優世さんはそっと口を開ける。
『……姉さんとは小さい頃に生き別れしたの……
姉さんは他の人に引き取れたって、お母さんから聞いたわ。どうしてだか分からないけど・・・・
姉さんの顔を最後に見たのは3歳のとき……
時々姉さんだという人から電話が来ているけど、会ったことはないの……』
その表情は切なさと苦しみが混ざり合っていた。
生き別れだったのか?優世さんとあの人・・・
『ごめんなさい……だから私、姉さんの名前は知らないの……
知りたいのに、教えてほしいのに、教えてもらえないの……』
かたかたとコップを握る手が揺れる。
──自分のことを恨んでいるのだろうか?
──嫌われているのだろうか?
そんな不安に脅されていた。
悪いこと聞いちまったな・・・
コ「そうだったんだ。こっちこそごめんなさい……」
『ううん。コナンさんは悪くないよ。ちゃんと答えなかった私が・・・悪い・・・・』
これ以上は二人の関係をふみにじっちゃ駄目だ。
それを思わすぐらい彼女の背中は時計の歯車のように小さく
すぐに失くしてしまいそうなほど儚いものだった。
歩「お姉さん!!」
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なみ(プロフ) - ズコッ(^-^; いやーありがとうございますっ! 作者助かってます。しっかり見てくださって感激です!!ちゃんと訂正させていただきました。これからもどうぞよろしくお願いします。コメントありがとうございました。 (2020年8月5日 6時) (レス) id: 617d92d894 (このIDを非表示/違反報告)
スズ - すみません。。またまた見つけてしまいました。。。94です。今日はぐっふり眠れそう。のところで、ぐっすりでは、ないでしょうか。すみません。。また見つけてしまって。 (2020年8月4日 23時) (レス) id: a082f7bfbe (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - ありがとうございます!訂正させていただきました!いやーすみません。誤字が多い者で(^o^;) いえいえ上から目線じゃありませんよ!!どんどん言ってくれて構いませんから!じゃんじゃんコメント待ってます!! (2020年8月4日 15時) (レス) id: 617d92d894 (このIDを非表示/違反報告)
スズ - はじめまして。間違いを見つけてしまったので、、、すみません。えっと、81ですね、このシューズを募集、になっていて、没収の間違いではないでしょうか。上から目線ですみません。 (2020年8月4日 11時) (レス) id: a082f7bfbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真灯 | 作成日時:2020年6月30日 20時