白雪姫 (ページ14)

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ふっと時計を見ると残り5分も無かった。

それと同時によしくんも丁度時計を見たらしく

「ん、後ちょっとや」

『会った時、まだ中学生だったのに』

「そういうあなたは小学生だったでしょ」

『ふふ、そっか』

「…そう考えると、Aも大きくなったな」

『なに急に笑』

「いや、娘の成長ってこんなふうに感じるんやな〜って」

『私はあなたの娘になった覚えは無いですよ？』

「えぇ、そんな言い方せんといてよ笑」

『んふふ、ごめん

っていうか、私の誕生日にその話はしてよ

よしくんの誕生日なんだから』

「そっか俺の誕生日か笑

25歳最後や〜」

よしくんの25歳最後、一緒にいる人が私でよかった。

そう思ってたら口に出てたみたいで

「！？Aがデレた！！」

『えっ、口に出てた？』

「がっつり！！

えぇ、それ俺だけによねぇ

うわぁ、口元緩んでまう笑」

よしくんがワーワー言ってる間に0時ぴったり。

おめでとうも1番に言いたいし

それはこれからも私だけでいい。

独占欲強く思われるかもしれないけどね。

『よしくんお誕生日おめでとう』

「！、ありがとう！

これ以上幸せなことは無いわぁ

あ、大吾からも来た」

大ちゃん、今年も私の勝ちだね。

そろそろよしくん色んな人からメールが来るから切らないと。

私だけ独り占めする訳にも行かないし。

『そろそろ切るね』

「ん、そっか

ありがとうな、今年も」

『んーん

…あと、』

これは事実ではあるけれど

調子に乗りすぎたよしくんへの意地悪でもある。

『私、みんなの1番になろうとしてるんだからね』

えっ、ちょっ、と言うよしくんを無視して電話を切る。

私のいちばんは誰でもないけど

みんなの1番は私でいて欲しいから。

よしくん、お誕生日おめでとう。

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