REBORN † 桃を啄む鶫。次世代に咲く花 -4- (ページ7)

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鬼ごっこ[1] -獄寺鶫- ページ7

『すんっ………っ…』

声を出さないように、必死に耐えてた小さい女の子。

ほっとけなくて、俺は、その子に近付いて、声をかけた。

『オイ…、何、泣いてんだよ？』

俺の声に反応して、女の子は体を強張らせた。体育座りのまま固まってる。

『……あっち行って。でないと、咬み殺されちゃうよ』

“咬み殺す”と言う言葉で気付いた。
この子が、あの鬼畜野郎の娘か。

震える声が、俺を惹き付ける。

『俺、強いから平気だしっ！』

そう言うと、女の子は、ゆっくり顔をあげた。
なかなか可愛いのに、目が真っ赤に腫れている。

笑ったら可愛いだろうなぁって、思った。

『…やっぱ泣いてんじゃん。どーした？』

『煩い人だね。ほっといて』

冷たい言葉とは裏腹に、女の子はすがるような目で俺を見つめるんだ。

だから、言った。

『ばぁか。泣いる女を見過ごす男なんか最低の最低じゃん。俺、そんなんになりたくないし
それに、女は男に守られてたら、いーんだよ』

女の子が目を見開く。
こんなこと言われるの初めてかな？俺もこんなこと言ったのは初めてだし。

『で、どーしたわけだよ』

俺が問うと、女の子が恥ずかしそうに下を俯く。

『友達が欲しいの……』

『いないのか？１人も？？』

下を俯いたまま、コクリと頷く。

こんな子、初めてだ。
不器用な優しさを持ってる、可愛い女の子。

俺は、意地らしくなって、女の子の手をつかんで、走り出した。

とりあえず、アイツらの所に行こう。
律華は同じ女の子だし、仲良くしてくれるだろうから。

唖然としている女の子に、俺はニッと笑って、

『んじゃ！俺がお前の友達１号な！俺、獄寺鶫！お前は？！』

女の子は、最初こそ驚いた表情をしていたが、次第に綺麗に微笑んで、

『私っ！雲雀桃！よろしくね、鶫くん！』

その綺麗に可愛い笑みに、俺は惚れてしまったんだ。