REBORN † 桃を啄む鶫。次世代に咲く花 -4- (ページ6)

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桃の花 -雲雀恭弥- ページ6

桃が学校に行ってる時の話。

今は、春です！！

†

「桃の花でも見に行こうよ」

午後。

家事を済ませたAに、そう言った。

「行くー」

Aはニコっと笑って、立ち上がる。
着物の衣擦れの音がした。

僕と結婚して以来、Aは和服を着るようになった。

これが結構似合っていて、一度褒めたら、嬉しそうに和服を着こなしている。

そういうところが、凄く可愛い。

「ん？恭弥、どうかした？」

金色の髪が揺れる。長い一本三つ編みを、肩に乗せ、垂らしてある。

その髪をくくっているのは、僕が上げた髪飾り。
椿を連想させる装飾だ。

「やっぱり君はなんでも似合うね」

なんて言って、Aの額にキスを落とす。

昔はAの方が背が高かったけど、追い越したみたいで、その差は10cmくらい。

Aが顔を赤くして、

「ぬりゅほーっ！？// な、なにすんのさっ///」

奇妙な叫び声を上げた。どうやって発音したんだか。

「なにって……キス」

「！//」

「“なんで”って、顔してるね……」

そう言うと、Aはコクコクと頷いた。
嗚呼、もう。可愛すぎでしょ。

今度はAの顎を、クイっと持ち上げ、唇にキスを落とす。

「んっ…きょ、や……？///」

「………可愛いと思って、キスして、何が悪い」

Aは顔を爆発させて、真っ赤を通り越した顔色で、

「そーゆー問題じゃないでしょーーっ！///////」

珍しく怒った。

†

「A。まだ怒ってんの？」

「怒ってないも」

桃の花の並木道。

綺麗なピンクの花びらが、Aの髪にハラリと落ちた。

それを指先でつまみ上げ、

「綺麗だね」

そう言う。

「桃の花、恭弥好きだもんねー」

Aが不貞腐れてる。可愛いなぁ

「うん。桃の花、凄く好きだよ」

ムーっと、Aが頬を膨らます。

僕はAの手を、ギュッと握り、

「桃の花より、Aと桃のが好きだけどね」

囁く。

Aが嬉しそうに、顔を崩す。
やっぱり、可愛い。

「いきなりが駄目なら、聞いていい？」

「なにをー？？」

「キスしてもいいか、を」

「！！//」

Aの細い指を絡ます。
一本一本絡まして、指の間まで君の体温を感じたいんだ。

「こ、ここで……？//」

「誰もいないよ」

Aを引き寄せる。
頬に手を当てながら、瞳を除き込んだ。

「…………恭弥ぁ…//」

「なに？」

僕の胸板に、手を押しあて、Aは言った。

「私も欲しい………//」

くすりと笑って、唇を重ねる。

桃の花びらを視界に捕らえた。

桃の花言葉。
君も同じだと嬉しい。

花言葉は“貴方に夢中”