REBORN † 桃を啄む鶫。次世代に咲く花 -4- (ページ3)

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意味[4] -沢田咲夜- ページ3

「失礼しまーす」

俺は、山本を片手に、保健室のドアを開けた。

「あれ。咲夜じゃん」

保健委員長の笹川律華先輩。
黒髪が、綺麗にお団子されていて、知的で凛々しい印象を受ける。

俺は、山本をつきだして、

「山本、なんとかしてください」

律華先輩は、クスリと笑う。そして、

「馬鹿なとこ以外なら、なんとかしてあげるわ」

なんて言って、山本をパイプ椅子に促した。

「りっちゃん先輩～。そりゃないですよ～」

律華先輩の治療を受けながら人懐っこい笑みを浮かべる山本。

「にしても。今日も綺麗っすね～。りっちゃん先輩、男子の中で結構、人気あるんすよー、知ってました？」

「私がぁ？」

律華先輩が自嘲気味に笑う。

あれ。知らないんだ。“保健室のマドンナ”とか、“清楚の白百合”とか趣味悪い感じで憧れてる奴多いのに。
俺は、言った。

「本当ですよ」

「ふーん………咲夜が言うなら、そうなんでしょうね」

「ちょ、それ、どーゆー意味っすかw」

俺と律華先輩は、共に山本をスルーして、

「でも、駄目ですよね。律華先輩はもう心に決めた人がいますから」

俺は、そう言った。

「「…………えっ！？」」

律華先輩と山本が同時に声を上げる。

「りっちゃん先輩？！好きな人、いるんすか！？」

「はぁ！？// も、なんでっ！！///」

あー。あからさまな反応が何とも可愛らしい。

てか、山本は山本で知らんかったんかい。

「草壁先輩ですよね？」

「分かっ………なん、なんで！！」

「直感です」

律華先輩は顔を真っ赤にして、

「…だ、誰があんなヤツ…っ！！////」

ツンデレかっ。

すると、急にニヤニヤし出す山本。
山本は律華先輩に言った。

「へ～。付き合ってるんすか～。へ～www」

なんかムカツク奴だな。

律華先輩は何も言えず、顔を真っ赤にしたまま俯く。
畳み掛けるように、山本は囁く。その時の真っ黒な笑みに、俺は一瞬、友達やめようかと思った。

「じゃぁ、【ﾋﾟｰｰｰｰ】とか【ﾊﾞｷｭｰﾝ】とかやっちゃった訳っすね～」

よし。友達やめよう。

そう思った矢先、バキッ！と音がして、

「馬鹿ぁ！！！//////」

山本が倒された。そうだった、律華先輩は力、すげぇ強かったんだ。

なんか友達やめんの、可哀想だな、コイツ。