REBORN † 桃を啄む鶫。次世代に咲く花 -4- (ページ1)

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意味[2] -沢田咲夜- ページ1

下に降りると、母さんがご飯を作っていた。

リズムよく刻まれる野菜と、良い匂いを漂わせるスープ。

「……あっ！サケ、おはよ♪」

「おはよ、母さん」

父さん曰く、天使みたいな顔して笑う母さんは、なんとなく可愛いと思う。

沢田京子。旧姓は笹川京子だから、俺と律華先輩は従兄弟になる。
あんま、関わりないけど。

と。

「おせーぞ、サケ！」

「…………なんで、ここに居るんだよ」

俺の向かいには、山本がいた。
爽やかな笑みを浮かべ、飯を食っている。

「なんでって……サケん家だから？」

「訳、わかんねーよ」

ガタン、と椅子を引き、座る。

「いただきます」

ちゃんと挨拶をいれてから、食べていると、山本が、

「サケってさー、」

俺と母さんを見比べ、言った。

「サケの母さんとそっくり」

「要は可愛いって言いたいんだろ？聞きあきたよ、その台詞」

何故か、俺は山本にしょっちゅう可愛いを連呼される。

こいつにソッチの趣味はないはずだ、うん。

「ふふふ。サケ、私のことを可愛いって思ってくれてるの？」

母さんが、席につく。
料理も弁当もそろっていた。

「女の子は皆、可愛いよ」

素っ気なく返すと、母さんがまぁと呟く。

「サケはあの人とは違って、手が速そうね」

なんて言って、笑う母さん。それに便乗して山本も笑った。

†

「いってきます」

「うん。いってらっしゃい♪勇くんもっ」

「いってきまーす！！」

なんで、こいつ、自分ん家感覚なんだよ。

俺より、一回りくらい背の高い山本を見上げ、

「…………なぁ、今日の放課後、ヒマ？」

そう聞いた。

すると、山本。

「上目使い可愛い」

「死ねよ」

「怖っ！」

あはは、と笑う山本をチラリと見やる。

山本は観念したかのように、手をあげ、

「ごめん。部活だ」

「あれ。今日から、野球だっけ？」

「あぁ」

山本は助っ人を止め、野球部に正式入部するらしい。

なら、今日から、放課後ヒマだな、なんて思いながら、学校へ行った。