尿カテ ページ23
「嫌だよ…帰りたい…」
母親に引きずられるようにしてやってきたS医院。
和也は入り口の前で最後の抵抗をしていた。
「明日から学校なのに、何回もトイレに行くのは困るでしょう？」
「……。」
確かに、授業中に何度もトイレに行くわけにはいかない。
しかし、それよりも治療への恐怖が勝っていた和也は 結局、
早くも泣きべそで、S医院に入ることになった。
相変わらず他の患者はおらず、すぐに診察室に呼ばれた。
「和くん、こんにちは。」
診察室には営業スマイルの松本。いつもの光景だ。
もう和也とは顔見知りだ。
「そこに座ってください。今日はどうしましたか？」
母親の後ろに隠れる和也に松本が優しく質問したが
恐さと症状の恥ずかしさで答えることはできなかった。
「それが先生…」
和也をぐいぐいと押し出して無理矢理椅子に座らせると 母親が症状を話始めた。
「そうだったんだ…。大変だったね、和くん。」
母親の前ではとびっきり優しい医者を演じる。
これもいつもの光景だ。
「ちょっと診てみましょう。そこに寝転んで？」
「…やだ…。」
「恐いことないよー。」
診察台の上に和也を寝かせ、軽く触診する。
「痛いことないからねー。力抜いて？」
「んん…」
「うーん…。」
どうするか考えているふりをしているが松本はやりたい処置をすでに決めていた。
「まずは尿検査しますね。」
がちがちに緊張していた和也の体からわかりやすく力が抜けた
(よかった…尿検査なら痛くない…)
ここで安心して、松本と母親の話をあまり聞いてなかったことを和也は後に後悔することになる。
「それから残尿量を見ますね。
カテーテルですぐに診断できるので安心してください。」
残尿量はエコーでも確認が可能だが…
エコーとカテーテル。
この病院の医者がエコーを選ぶはずがない。
終わり
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すい(プロフ) - もうお話はけしてしまったのですか、、？ (2018年6月8日 22時) (
レス) id: 8880b23b54 (このIDを非表示/違反報告)
蒼沙 仁真 - このお話とても好きです。更新待ってます。 (2015年3月23日 16時) (レス) id: a3dd96c4b8 (このIDを非表示/違反報告)
まな - めっちゃおもしろいです！ (2015年2月4日 9時) (レス) id: e3ead53272 (このIDを非表示/違反報告)
ひびき - 忙しいとは思いますが、更新楽しみに待ってます！ (2014年11月27日 22時) (レス) id: 78ea246325 (このIDを非表示/違反報告)
ひびき - 忙しいとは思いますが、更新楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2014年11月27日 22時) (レス) id: 78ea246325 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜行猫
作成日時：2014年6月9日 17時
