便秘 ページ20
チューブが抜けた後はペーパーで押さえられる。
「先生…もう…もう…」
「まだダメだよ。」
「いたい…おなか、痛いよぅ…」
排便の欲と、腹のうずくような痛みに和也の目から新しい涙が流れる。
「あ、あぁ…！」
あまりに耐えられそうにない和也に、
松本は専用の栓を入れた。
サイズはもちろん大きめを選ぶ。
「んんんっ!!」
それを入れられる痛みにも、和也は敏感に反応する。
しかし、それが何なのかを聞く余裕はなかった。
痛がる和也を嬉しそうに見下ろす医者二人に
気付く余裕も、もちろんない。
「出る…ううう…でる…トイレ…」
「まだ我慢。」
何度この会話をくり返しただろう。
宣告した10分という時間はゆうに超えていた。
和也は脂汗をかき、苦しみに耐える。
「もう…くる…し…」
「ここで出しちゃダメだよ？ちゃんと、トイレでね。」
だからずっとトイレに連れて行ってほしいと頼んでいるのに。
和也は残った気力を振り絞って、目の前の医者に頼んだ。
「せんせ…おねが…します…」
泣きはらしたて赤くなり、ウルウルとした目が
二人の医者を見上げる。
「いいよ。和也くん。よく我慢したね。」
二人を満足させた和也はやっと、
備え付けのトイレに座らせてもらえた。
.
.
.
全ての診察、処置が終わり、
その後、処置室のベッドに移動させられた和也。
洗腸室に母親を呼ぶわけにはいかないためだ。
何日か分のモノを一度に出しきった和也は
ぐったりと処置室のベッドから動けずにいた。
「和ちゃん、お腹すっきりしてよかったわねー。」
母親は横の椅子に座り、和也の頭をのんきに撫でる。
「もう心配ないですからね。和也くんのお腹、ぺっちゃんこだね。」
「よかったわね。和ちゃん。先生にお礼言いなさい？」
「ありがと…ござ、ました…」
親に言われた通り、お礼の言葉を口にする和也。
その可愛らしい子供の頭を和也はゆっくりと撫でた。
「和也くんは本当にいい子だね…。
…十分ゆっくりしてからお帰り下さいね。」
「ありがとうございます。」
お得意の営業スマイルを母親に向け、
スタッフルームに戻る。
いつものように二人の医者は
コーヒーで乾杯をした。
終
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すい(プロフ) - もうお話はけしてしまったのですか、、？ (2018年6月8日 22時) (
レス) id: 8880b23b54 (このIDを非表示/違反報告)
蒼沙 仁真 - このお話とても好きです。更新待ってます。 (2015年3月23日 16時) (レス) id: a3dd96c4b8 (このIDを非表示/違反報告)
まな - めっちゃおもしろいです！ (2015年2月4日 9時) (レス) id: e3ead53272 (このIDを非表示/違反報告)
ひびき - 忙しいとは思いますが、更新楽しみに待ってます！ (2014年11月27日 22時) (レス) id: 78ea246325 (このIDを非表示/違反報告)
ひびき - 忙しいとは思いますが、更新楽しみに待ってます！頑張ってください！ (2014年11月27日 22時) (レス) id: 78ea246325 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜行猫
作成日時：2014年6月9日 17時
