"カミシロ" 12 ページ42
.
ふと目を開けると、景色が色付く。
｢おや、起きなさられたようですね。｣
｢...ギルベルト、さん...？｣
丁度コーヒーのカップを片付けに来てたギルベルトさん。
やけに部屋が静かな事に気付く。
｢...スティーブン達は？｣
｢10分ほど前に任務の方へ行かれました。｣
そりゃあ部屋が静かだな。
ってか、起こしてくれなかったんかい。
時計の針は4時を指していた。
体を起こして大きく伸びをする。
｢何か夢でも見ておられましたか？｣
へ、と変な声を出した。
｢先程うなされていたので、何か夢でも見ていたかと...｣
｢あー...まぁ、夢、見ていましたね。あまり良くない夢でしたけど。｣
ふぅ、と大きく息を吐いて天井を見る。
うなされる程嫌だったのか...彼処が。
だけど、今現状で化け物と短刀については知れた。
後は、黒朱雀とあの仮面の野郎の情報...
そういえば、
黒朱雀と言っているが、元は朱雀と同じなのだろうか？
何故"黒"がついているのだろうか？
情報が少なすぎる...。
朱雀って神様だっけ？
じゃあ、単純に考えて神様が俺に取り憑いている状態ってこと？
何で？
"神代"の字が思い浮かぶ。
"神の化身"
"神の化身"だから神様が取り憑いたっていうの？
...ちょっと変だけど。
神様の気まぐれか、悪戯か分からないけど、面倒事は嫌いだ。
｢...スティーブンに話さねぇと、な。｣
ポツリと呟く。
ギルベルトさんは首を傾げ、何でも無いですよ、と言う。
携帯を取り出すと、1件メールが入っていた。
多分スティーブンだろうと思い、メールを開く。
―先に帰っていて、ちょっと長くなりそう。
了解、と短くメールし立ち上がる。
｢...ギルベルトさん、俺先に上がりますんで。お疲れ様でした。｣
｢おや、そうなんですか？気を付けてお帰り下さいませ。｣
カバンを手に取り、部屋から出ていく。
｢...そうだった。バイク、家だった。｣
カバンの中にバイクの鍵が無い事に気付き、溜息をついた。
...仕方ない、歩いて帰ろう。
裏路地から出れば、相変わらず人や異人が多い。
家までそれなりに距離があるが、1時間もあれば着く。
相変わらず危ない薬や肝臓やらをスナック菓子の様に売ろうとしてくる。
実の所、日本人が1人で出歩くと危ない。
特に女性は。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 354人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
椎名魏(プロフ) - 夜奈 希未さん» 夜奈さん、ありがとうございます！これからも楽しんで頂けたら嬉しいです！ (2015年6月30日 20時) (
レス) id: 86535fb0f5 (このIDを非表示/違反報告)
椎名魏(プロフ) - 兎魔斗さん» 兎魔斗さん、ありがとうございます！更新はまちまちですが楽しんで頂けたら嬉しいです！！ (2015年6月30日 20時) (レス) id: 86535fb0f5 (このIDを非表示/違反報告)
夜奈 希未(プロフ) - すごく面白いです！血界戦線の小説増えてくれ……これからも最新頑張ってください！応援してます！ (2015年6月30日 19時) (レス) id: 7f2cad6fcb (このIDを非表示/違反報告)
兎魔斗(プロフ) - 凄く面白いです!!,血界戦線の小説は少ないので...面白い小説にあえて嬉しいです!!!これからも頑張ってください!! (2015年6月30日 8時) (レス) id: bef0b55696 (このIDを非表示/違反報告)
椎名魏(プロフ) - かりんさん» かりんさん、ありがとうございます！！これからも楽しんで頂けたら幸いです！！ (2015年6月29日 18時) (レス) id: 86535fb0f5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：椎名魏 | 作成日時：2015年6月24日 20時
