ただの一般人でいたい今日この頃。[血界戦線]

"カミシロ" 9 ページ39

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｢そうだったんですか？！｣


驚きの声をあげる少年。


｢彼女は隠しているつもりだが、ここ最近体調がよろしく無いようでね...まぁ彼女には内緒にしておいてくれ。｣


はい、と返事を返しチラッと時計を確認する。


｢あ、バイトの時間になるので僕はこれで。｣


ザップは着信音がなり、陽気な声で電話に出る。


暫くすると携帯を切り俺も用があるんで、と言って何処かにいった。


どうせ女だろう、と思い息をつく。


静かになった部屋でクラウスが口を開いた。


｢...真実を言わなくて良かったのか？｣


｢良いのさクラウス。変に警戒したら彼女も居心地が悪いだろう？｣


｢それもそうだが...｣


｢それに、自分の身体の事は一番分かっているハズだ。だから...彼女は薄々と感じている
と思うよ、そこまで鈍感じゃないし。｣


書類を1枚ペラリと捲り、目をやる。


"妖刀"と書かれた文章を読み、2枚の写真を見る。


1枚は何処かの資料館で撮られた1本の刀が写っている。


もう1枚は...







1枚目に写っている刀を、丁寧に手入れしているAの写真。


資料によれば、この刀は大量の人間の血から出てきているらしく、呪われているとも言われている。


現にいくつかの事例が上がっている。


原因不明の病気、高熱、変死体エクストラ...


どれもこれも全て1週間で持ち主が亡くなっている。


誰が作った物か不明で、噂ではブラッド･ブリードが作ったのではと言われている。


それなのに、彼女は1週間、いやそれ以上に持っていると言うのに何故亡くなっていないのだろうか？


何度か大事に巻き込まれているのに、何故大怪我は無いのか。


そして今回の事件、大火事が起きたと思われていたが、焼けていたのは恐らく人身売買を行っていた犯人と思われる人物と人形と思われている。


はっきりとしていない訳は、骨まで灰になってしまって人物が特定出来ないからだ。


真意ははっきりとしていないが、囚われていた子供曰く人形が燃えた、犯人が消えたとの事。


恐らく犯人が居たであろう部屋には、大量の灰と意識を失っていて倒れていたAだけだった。


何故彼女は骨まで灰になる様な場所に居たのに、何故無傷なのか。


あの場所に、他の誰かが居たのだろうか？


...謎は謎を呼ぶばかり。


嫌でも溜息が出る。


｢....恐らく一番知っているのはAだろうね。今回の事件も。｣


飲みかけのコーヒーを飲み干して机に置いた。



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