Like or Love?6 ページ29
.
「ねぇねぇ、スティーブン。今度はレオ君にスティーブンと付き合ってるって思われてた。」
咳き込むスティーブン。
「...誰もおしんでねぇぞ。」
「今のは君が悪いでしょ。」
パンを口に運ぶ。
「つーかそんなに驚くもんか?」
「寧ろ君は驚かないのかい?」
「いや、前はしょっちゅうあったから...慣れた。」
「...。」
何やら頭を抱え始めたスティーブン。
「...何、もしかして俺に彼氏出来ないんじゃないかっていう心配か?大丈夫諦めてる。」
「駄目でしょ諦めちゃ。」
真顔で言い返された。
「いや、だって出来る云々の前に人を好きになれないってか分からない。」
ズズ、とコーヒーを飲む。
「何時かきっと分かるよ。」
「その何時かが何時なんだよってなるんだけどな。」
「じゃあ聞くけど、今好きな人とか居るのかい?」
「いないね。」
即答かい、と苦笑するスティーブン。
「...なんかスティーブンと恋愛話するとか予想外だったわ。」
「意外かい?」
「明日は空から槍でも降ってくるんじゃないかな、っていうレベルで意外だった。」
「なかなか酷いことを言うねAは。」
カラになったコップを置き、ジッと俺の顔を見るスティーブン。
「...何、スティーブン?」
「好きだ、A。」
いつもと違う表情で言うスティーブン。
これは...マジだ。
「...冗談は寄せ。」
「いいや、本気で言っている。」
ああいけない、この感情には気付いてはいけない。
「冗談だろ、つーか時間大丈夫か。」
仕事、あるだろ?
時計の針はもうすぐ9時を指す。
「...そうだね、1回戻ろうか。」
スティーブンは残念そうな顔をして会計を済ませた。
モヤモヤとするが、忘れようと蓋をする。
何も知らない、そう自分に言い聞かせる。
車に乗りこみ、シートベルトを付ける。
車の中は外の爆発音が聞こえるほど静かだった。
ーーーーーーー
ーーーー
ー
「往生せいやああァァ旦那ああぁぁぁぁ!!」
扉を開けるとザップさんがクラウスさんに攻撃を仕掛けていた。
まぁ、展開は読める。
バキッ!ガッ!
ザップさん見事にボコられた。
「ホント懲りないねーザップは。」
「しかも毎回同じ攻撃パターン...」
「む、来たかスティーブン。」
あ、今回はクラウスさんと一緒なんだ。
今日は確か取引だったか?
「いってらっしゃーい。」
「行ってくるよ。」
「行ってくる。」
2人を見送った。
.
Like or Love?7→←Like or Love?5
354人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
椎名魏(プロフ) - 夜奈 希未さん» 夜奈さん、ありがとうございます!これからも楽しんで頂けたら嬉しいです! (2015年6月30日 20時) (レス) id: 86535fb0f5 (このIDを非表示/違反報告)
椎名魏(プロフ) - 兎魔斗さん» 兎魔斗さん、ありがとうございます!更新はまちまちですが楽しんで頂けたら嬉しいです!! (2015年6月30日 20時) (レス) id: 86535fb0f5 (このIDを非表示/違反報告)
夜奈 希未(プロフ) - すごく面白いです!血界戦線の小説増えてくれ……これからも最新頑張ってください!応援してます! (2015年6月30日 19時) (レス) id: 7f2cad6fcb (このIDを非表示/違反報告)
兎魔斗(プロフ) - 凄く面白いです!!,血界戦線の小説は少ないので...面白い小説にあえて嬉しいです!!!これからも頑張ってください!! (2015年6月30日 8時) (レス) id: bef0b55696 (このIDを非表示/違反報告)
椎名魏(プロフ) - かりんさん» かりんさん、ありがとうございます!!これからも楽しんで頂けたら幸いです!! (2015年6月29日 18時) (レス) id: 86535fb0f5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:椎名魏 | 作成日時:2015年6月24日 20時