２６． 綺麗。 ページ32
ただ何を話すわけでもなく、マップを見ながら目的の店までただ歩く。
こうして兄ちゃん以外の人間と一緒に歩いてるなんて数か月前の自分は考えもしないだろうな。
……多分それは佐久間クンも同じように思ってるんだろう。
スマホから目を離し、ちらりと様子を伺うと何かを考え込んでいた。
恐らく何も話さないこの間が気まずいのだろう。
私はこの間もわりと心地いいんだけど……佐久間クン、結構気にしいだからな。
私が見ていることに気が付くと、何かを求められていると勘違いしたのか焦りだす。
「な……なんだ…どうかしたのか？」
佐久間クンはやたら責任感が強い。
多分今も先輩としての立ち振舞い方を必死に考えているのだろう。
それにしても………、
「佐久間クン、キレーな顔してるよな。
真帝国ン時から思ってたけど。」
褐色の肌、夕焼け色の瞳、男とは思えない長いまつ毛。
そして銀色の髪と中性的な顔立ち。
ミステリアスでずっと見ていても飽きないタイプの美人だ。
佐久間クンは一瞬驚いた顔をする。
しかしその後すぐに眉を顰め、ふいっと顔を背けた。
「何だ急に、そういうのはやめてくれ。」
きっと今までの人生で腐るほど言われ続けてきたんだろうな。
色々な経験をしてきたんだろう。いい意味でも、悪い意味でも。
そして私の本心は嫌味のように受け取られてしまったという訳だ。
「………、佐久間クンは美人だよ？」
もう一度佐久間クンの方を見て気持ちを伝える。
真剣に真っ直ぐ見つめて。
すると少し顔を赤らめ照れくさそうに顔を逸らした。
「だから…、やめろと言っているだろう？」
少し声が震えている。
今度は多分、気持ちは伝わっただろう。
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リリィ(プロフ) - Kariaさん» コメントありがとうございます、本当に嬉しくて何度も何度も読み返してはニヤニヤしてしまいました。とても励みになります！ (2022年3月29日 1時) (
レス) id: 5fb9ab7224 (このIDを非表示/違反報告)
Karia(プロフ) - この作品は、今までに見たイナイレの夢小説の中でもトップに入るぐらい好きです。素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます！ (2022年3月26日 22時) (レス) @page5 id: 03658bccca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ | 作成日時：2022年3月22日 16時
