２７． 気のせい(佐久間視点) ページ33
「佐久間クンは綺麗だよ」
そう言われた瞬間なぜだか救われたような気がした。
昔から女っぽい容姿をいじられたり、それが原因で虐められた。
だから褒められても素直に受け取れなかったし、嬉しくなかった。
だけど…、さっきのこいつの言葉は信じてしまった。
なぜだかは分からない、だが…Aの瞳を見ていると信じざるを得なかった。
そもそもなんだ急に褒めるなんて。
らしくないじゃないか。今まで散々生意気言っていたのに。
なんなんだ、本当に…、本当に……！
心がぐしゃぐしゃになる。たった、たった一言で。
なんでこんなに惑わされないといけないんだ。
「おーーい佐久間クン、 どこまで行くつもりだよ。」
こんがらがっていた思考が少し現実に戻る。
目的地の店の前でAが手を振って教えてくれていた。
平常心を保て。Aは特に何も考えていない筈だ。
そう心に言い聞かせ、店の方まで走って向かう。
「悪い、ぼーっとしててな。」
Aは走ってきた俺の顔をじっと見つめる。
「こ…、今度はなんだ？」
また何か言われるんじゃないか、今度は貶されるのではないか。色々な可能性を考える。
「佐久間クンってけっこー照れ屋？意外〜」
そういわれた瞬間、一気に恥ずかしさと苛立ちがこみ上げる。
恐らく今、俺の顔は真っ赤になっているだろう。
「んなっ……、お、お前…先輩を馬鹿にするのも大概にしろっ」
Aはそんな俺を見て、新しいおもちゃを見つけた子供のようにニタっと笑う。
「結構カワイイとこあんじゃん、佐久間センパイ？」
こいつの言葉に救われた、と感じていたのは勘違いだ。
きっとそうだ。
「下らないこと言ってないで早く店に入るぞ」
Aの言葉を無視して店の扉を開けた。
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リリィ(プロフ) - Kariaさん» コメントありがとうございます、本当に嬉しくて何度も何度も読み返してはニヤニヤしてしまいました。とても励みになります！ (2022年3月29日 1時) (
レス) id: 5fb9ab7224 (このIDを非表示/違反報告)
Karia(プロフ) - この作品は、今までに見たイナイレの夢小説の中でもトップに入るぐらい好きです。素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます！ (2022年3月26日 22時) (レス) @page5 id: 03658bccca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ | 作成日時：2022年3月22日 16時
