第十二話「あ、バレンタインデーじゃん。」 ページ13
二月。二月の行事と言えばぁぁ……!!!!
「あ、バレンタインですかぃ。」
『違うだろ!!!豆まきだろ!!!!』
「いや、バレンタインだろ。」
監獄の中。銀時看守と沖田看守と三人で駄弁り中。
女共がすごい形相で睨んでくるが、
いや、どうしようもない。
『バレンタインなんてどうせ貰えないし。あんまり期待するもんじゃねぇよ』
「お前男か。女の子がそんな夢も希望も無いこと言わない。」
『あ〜……別にいいと思うんだけどなぁ……』
「そんなことより、Aはチョコ貰いたくないんですかぃ??」
『いや、そんなことでもないけど………』
「けど?」
『お前らからは絶対に貰いたくない。』
「え、なんで?」
不思議な顔して尋ねる銀時看守。
『だって、絶対なんか仕込んでるとしか思えないし。』
すると、二人は顔を見合わせて黒い笑みを。
「大丈夫だぜぃ。なんなら俺が食べてみやすよ。今ここで。」
『今持ってたのかよ。いいよ。食べてみ』
パクッ
「ほらぁ。言ったでしょ?」
『おお!!!頂戴頂戴!!!』
「ほら、あーん」
『いや、恥ずかしい……』
「いいから早く」
『あ…』
と。
『ふぁ!?』
沖田看守の顔が近づいてきたと思うと、口づけをされた。
「どうですかぃ。上手いだろ。」
じゃあなーと、二人は出ていく。
残ったのは唖然とした女共と
呆然している私と
口の中で静かに溶けていく甘いチョコレートだけだった。
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作者名:時雨です。 | 作成日時:2017年7月17日 21時