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＿＿＿ 昨日の私を、張り倒してやりたい朝だった。
＊＊＊
紫耀「いらっしゃいませーっ！
ちょっと待ってください、今行きます！」
「ごゆっくりどうぞ……。」
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昨日の今日で、また私はこのカフェのノブに手をかけた。
…決して、昨日の覚悟が嘘だったわけじゃない。
紫耀「お待たせしました〜…、あ、昨日の！」
「……どうも。」
紫耀「ご注文、なににしますか？」
「あ、いえ。今日は……、」
言い淀んでいると、彼はハッとした顔をした。
紫耀「薄井、A…さん？」
「………はい。」
紫耀「あ〜！」
「すみません、それを取りに」
＿＿彼が私のフルネームを知っていたのは他でもない。
私が昨日、あろうことか社員証を落としてしまったからだ。
それに気づいたのは今日の朝。
幸い、仕事自体は休みだったから大事には至らなかったけど。
紫耀「でも、お返しするには条件があります！」
「…な、なんでしょう。」
紫耀「1杯だけ、飲んでいきませんか？」
カウンターに両肘を置いて…変わらず距離は遠いけど、私と同じ目線で顔色を伺うように条件を出した紫耀さん。
この間から失礼な態度をとっているのは私の方なのに、
まるで捨てられた子犬のような目で訴えられるとさすがに良心が痛むというもので。
「まあ……1杯だけなら……。」
紫耀「ほんとですか！？ やったーー！！」
渋々ＯＫをだすと、これでもかとガッツポーズで喜ぶ彼。
たかがコーヒー1杯でなんでこんなに喜んでいるのかは謎だが、あまり気にせずにいつもの席に座った。
紫耀「あ、どうしよう…」
「？ どうかしましたか？」
カウンターでぽつりとそうつぶやく彼に、豆でも切らしたのかと思い声をかけると
困り顔でひとこと。
紫耀「カウンター出ないと運べない……」
「えっ？ …あ。」
そういえば、昨日彼には咄嗟にカウンターから出るなと言ってしまったんだっけ。
紫耀「今日は出ても大丈夫ですか？」
「あ、全然大丈夫ですよ！もちろんです。」
紫耀「よかったぁ〜…」
ホッと胸を撫で下ろす紫耀さん。
…どんな理由であれ、紫耀さんからしたらそんなに律儀に守るほどの事でもないだろうに。
つくづく変な人だなあ、と首をかしげた。
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あき。 - 新作公開、おめでとうございます。おかえりなさい！が合ってますか？笑 平野のイメージぴったりでやっぱり雪乃さんの描くお話は大好きです。引き続き雪乃さんのペースで更新がんばってくださいませ。 (2019年4月1日 18時) (
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作者名：雪乃 | 作成日時：2019年4月1日 3時
