二十三本目の矢。 ページ25
二十三本目の矢。
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【A視点】
「夕香ちゃん…！」
豪炎寺くんが病室の扉を開けた先に見えたのは
眠っている夕香ちゃんがいた。
「…ずっと眠ったままなんだ。」
「そう、なんだ。」
「…俺達がまだ一年の時、フットボールフロンティア決勝の試合があっただろう？」
確か、僕達がまだ一年の頃に木戸川と帝国との決勝戦があった。
「…俺達がスタジアムに向かう前、Aも一緒にいただろう？」
うん、と頷いた。
《Aお兄ちゃん、お兄ちゃん、応援してるからねっ！》
って、夕香ちゃんに応援されたのを、僕は未だに覚えてる。
「夕香は俺達の試合を楽しみにしてた。
だが…スタジアムに急ぐ夕香は車に…
事故のことを知らされたのは、試合の直前だった。」
「…そんな…。」
「…俺がサッカーをしなければ、夕香はこんなことにはならなかっただろうな。」
僕はただ豪炎寺くんの話を黙って聞いていた。
豪炎寺くんがサッカーをやらない理由は、
僕と少し似ていたように思えた。
「…だから俺は…夕香が目を開けるまでは、サッカーはやらない。」
豪炎寺くんはぎゅ…と制服のズボンを握りしめていた。
「…豪炎寺くん、僕が言えるようなことじゃないけど、」
「…なんだ、」
「夕香ちゃんがね、「お兄ちゃんがサッカーしてる時が輝いてるし、かっこいい」って、言ってたんだ。」
僕も豪炎寺くんがサッカーしてないと少し寂しく思う。
豪炎寺くんは普段はクールだけど、サッカーしてる時は心から楽しそうにしてた。
「…夕香ちゃんがそんなこと望んでるとは思わない、な。」
夕香ちゃんの頭を撫でながら豪炎寺くんの方に言葉をかけた。
「えぇっと…それじゃあ、ね。豪炎寺くん。」
そう言って僕は病室から出た。
豪炎寺くんは俯いたままだった。
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しぐれ(プロフ) - メルさん» ありがとうございます！頑張ります…！！！ (2022年8月8日 21時) (
レス) id: 62487e5d19 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれ(プロフ) - 月夜 黒輝さん» 自分も対になる関係大好きです ﾍﾍっ！！ありがとうございます…！ (2022年8月8日 21時) (レス) id: 62487e5d19 (このIDを非表示/違反報告)
メル - これからの展開が楽しみです！応援してます！頑張ってください！ (2022年8月4日 22時) (レス) id: eb7870cb0c (このIDを非表示/違反報告)
月夜 黒輝(プロフ) - ふぉぉぉおおお 良いですね対になる関係、大好物です！更新できる時でいいので頑張って下さい！待ってます!! (2019年3月30日 5時) (レス) id: 7066949ba0 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれ(プロフ) - ゆっきーさん» 長らくお待たせしてすみません…！頑張ります！ (2018年10月24日 21時) (レス) id: 1d4791c245 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぐれ | 作成日時：2018年8月25日 21時
