あふれて、波打つ。 ( ytin ) 完

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仕事中はさすがにそっちに集中してたけど、お店でワインを選んでる時くらいから、妙に緊張してきた



いのおさんのマンションの近くのパーキングに車を停めて、エントランスでコールする622号室。6階に住んでるんだな…




はーい、と間延びした声を合図に自動ドアが開いた。
エレベーターに乗る、1..2..3...4....





昨日、酔って変なことを口走ったいのおさんと、それを変に間に受けて一人で最低な行為をした俺。
今日会うって、結構危険じゃないのか…？




ていうか、はあ？酔ってたし、んなこと言ってない！って言われそう。
きっと忘れてんだろうな。






…すき、って。嬉しかったんだけど。





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「…おじゃまします！」




「はーい」




…着いちゃった。心臓バクバク。
俺、いつからこんなんなの…？



割とシンプルめなマンションの一室。
玄関からリビングダイニングに行くまでの廊下の壁にはたくさんの建物の写真が。




その中に俺の写真も何枚かあったりして、内心すごく嬉しかったのは言わないでおく。




おそらく今日は外に出てないだろういのおさんは、部屋着っぽい真っ白のニットが似合っている。髪型もワックスとかをつけないでそのまま、まんまるでつるんと可愛いマッシュ。




「ご飯できてるよ。食べよ」




「ほんとですか！やった」





キッチンに立つかわいいニット姿の肩口から鍋の中を見てみると。




肉じゃが、いっぱい。






…キュン！

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