新たな世界を。 ページ15
「A、」
荒れ果てた、戦場となった野原。彼らが開発したアンドロイドは、全て無残に壊れていた。
そして、彼らの足元には、ボロボロになった彼女が、倒れていた。
断線し、所々、塗装パーツがはがれ、あたりには彼女の中に仕舞われていた大量の薬莢が散らばっていた。その細い体のどこに、そんな大量の武器を仕舞い込めたんだ。手を握っても、温かさなんてどこにもなかった。右頬はコードが沢山埋め込まれていて、断線したものもあった。
《・・・グルッペン、A、俺らが開発したの、全部壊してた。》
「・・・そうか。」
《跡形もなかったわ。・・・立派な、アンドロイドやったんやなぁ。違う世界の俺が、あんないい子に作ったなんて、考えられへん。》
…世界を救済した代償は、俺らが愛したアンドロイドだった。
ただの鉄くずだった、確かに、そうだったかもしれない。彼女を構成していたのは、細胞ではなかった。人間じゃ、なかった。別次元の世界にいた俺らが踏み外してしまった過ちを、A自らが気付かせて、世界をつなげたのだ。
俺が効率化の為に人工知能・アンドロイドを作ろうなんて、真剣に受け止めきれなかったと、悔やんだ、彼女の忠告を、素直に聞けばよかった、あの時Aを止めなければ・・・思うことは山ほどある。
けれど、
『ショッピと海、行きました。とても、綺麗でした。』
『エーミールから教わった知識…世界は、広いのですね。』
『オスマンのお気に入りの紅茶、とってもおいしかった』
『ひとらんらんのひよこ・・・・可愛かった、へへ、』
『家族・・・・私は、兄さんの、妹ですっ』
『トントン！！いい加減に寝てください！！』
『タバコ、まずかった・・・うえっ』
『ロボロの演奏するピアノ、とっても・・・綺麗でした。』
『コネシマ！！シャオロン！！ゾム！！まぁた壊しましたね！！？』
『しんぺい神は、本当に尊敬しています。』
『グルッペン、』
「・・・・Aは、もう立派な人間だゾ。」
じゃないと、あんな綺麗に笑えないだろう？
彼女が望んだ世界を、俺達で守っていく。
それが、Aへの最大の恩返し。
「さぁ、再建だ！！Aの好きな世界を、もう一度俺らが見せてやろう！！！！」
確かに、Aはここに存在していた。
その証明を、今から作っていこう。
ほんのり熱が引ききってない彼女の唇に、優しく口付けた。
Fin
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ヨゾラ(プロフ) - くっそ、貴様のなどが存在するから！占ツクを辞められないんだ！なんだ！ただのプロか！ (2019年3月21日 21時) (
レス) id: 71789b4f54 (このIDを非表示/違反報告)
竹の人(プロフ) - 愛とAIを掛けたのでしょうか。座布団を数百枚差し上げます。深夜テンションでこのクオリティは純粋に凄いと思います。盗作、心配ですね。被害に合わぬよう祈っております。 (2019年3月9日 17時) (レス) id: b9c6ab77d0 (このIDを非表示/違反報告)
吉田きのこ(プロフ) - これからも応援してます！が、ちゃんと寝てください(切実)お体に気を付けて、無理なさらないでくださいね！ コメント失礼しました。 (2019年3月9日 10時) (レス) id: d8304cf352 (このIDを非表示/違反報告)
吉田きのこ(プロフ) - とっても素敵な作品だなぁ、と思っていたらまさかの女王陛下の方だとは...今回も素晴らしい作品をありがとうございましたm(._.)m最後のアンドロイドさんのセリフで「あっ....そういう事だったのか...すげぇ。」ってなりました。思い付きで書けるなんて凄いですね！ (2019年3月9日 10時) (レス) id: d8304cf352 (このIDを非表示/違反報告)
悠里(プロフ) - めっちゃ好みでした好きです (2019年3月9日 6時) (レス) id: 7bab50ed44 (このIDを非表示/違反報告)
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