EN王国のお姫様 (ページ17)

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『ジェイクさ「オッパ」……ジェイクオッパ、次どこに行きますか？』

屋台を何軒か見て回って、ご飯系から甘いものまで、かなりお腹いっぱいになるまで一緒に食べ歩きをした。
初めての屋台で緊張する私を引っ張って、エスコートしてくれたジェイクさん…じゃなくてオッパ。
ちゃんと恋人っぽくしないと怪しまれるよ？と言われてクレープをあーんし合ったり、腕を組んで歩いたり…正直途中からは何に緊張しているのかわからなかった。

「そうだね〜…あ、あのお店はどう？可愛い雑貨屋さん！」

『雑貨…！いいですね！』

私はあまりアクセサリーとかは身につけないけど、オッパやニキが誕生日プレゼントにくれたものは時々身につけるようにしている。
それでも、自分で何かを買ったり、選んだりすることはなかったから、こうやってお店に並んでいるのを見るのはすごく新鮮だ。

『わぁ…すごく可愛い…』

お店に1歩踏み入れると、手作りのアクセサリーなどが置いてあって、光に照らされてキラキラと輝いている。
私の視線の先を見たジェイクオッパが、ストーンがあしらわれているブレスレットを手に取った。

「これAにすごく似合うと思う！」

オッパはそういうと、ブレスレットを私の腕に付けてくれた。

『綺麗な石…』

「トパーズだね。これならシンプルだし、どんな服でも合いそう。…ねぇ、今日のお土産に僕からプレゼントしてもいい？」

『えっ、そんな悪いですよ…！』

「僕があげたいんだ。時間が経ったら今日の思い出は薄れちゃうけど、これを見たらAは僕を思い出してくれるでしょ？」

留学の期間は１ヶ月。
ジェイクオッパは、この国の人ではなくて、隣国の次期王子。
私はこの国の王女。
この１ヶ月が終われば、ジェイクオッパは国に帰って政治に大忙しなんだろう。
私は私で、また1人で勉強する日々に逆戻りだ。

「そんな悲しそうな顔しないで？未来をどうするかは自分次第だから。今を楽しまないと！」

『そう…ですよね！』

せっかくジェイクオッパがプレゼントしてくれると言うのだ。
ここはお言葉に甘えて大事に使わせて貰おう。

「まあ僕を思い出にさせる気なんてサラサラないんだけどね」

ブレスレットを眺める私を見てジェイクオッパは満足そうに微笑んだ。