4.お似合い ページ4
「嬉しい！私もちゃんと挨拶したかったんだ」
「花も会いたがってたんだけどさ。あの人忙しいからなかなかタイミング合わなくて」
花さん、て言うんだ。
「Aちゃん、花ちゃんに会ったことなかったっけ？」
雅紀くんがナポリタンをカウンターに置きながら言った。
「前にちらっと。ニノくんのお店で…」
キスしてるとこ見ました…
「え？なになに⁈なんで濁すの？」
「いや、その」
「うっさいな。仕事しろ！」
って噂をすれば何とやら、で。
深緑の扉が開いて、こんばんはーって言いながら花さんが入ってきた。
「いらっしゃいませ！」
花さんはきれいな青色のニットワンピースを着ていて、白い肌によく似合っていた。
独特の透明感がある人。
雅紀くんが、ニノくんの横の席に、どうぞって促す。
「お疲れ」
「うん、カズも。お疲れさま」
「花、紹介しとくね。ここの第一号のお客で、今は相葉さんの彼女のA」
相葉さんの彼女、だって。
改めて言われるとなんか嬉しかったりして。
「初めまして。お話はよくカズから聞いてます」
そう言ってにっこり笑う。
初めて会った時も思ったけど、花さんて笑顔が素敵。
つられてこっちまで笑いたくなるような、そんな笑顔。
「で、A。この人、俺の彼女。花」
「初めまして。ニノくんにいつもかわいいって自慢されてました。聞いていた通りの方ですね」
花さんは、かあって赤くなってニノくんをちょっとにらむ。
「カズ変なこと言わないでよ」
「いーじゃん事実なんだから」
雅紀くんがにこにこしながら、花ちゃん何飲むー？って聞いてる。
「あ、じゃあビール！」
花さんが、くるってこっちを向く。
「Aちゃんって雅紀くんとすごくお似合いだね！
美男美女だし二人とも元気で明るくて、うん、すごくお似合い」
「そう、ですか？」
嬉しいな。
花さんて、なんとなくお世辞とか言わなさそうな気がした。
「でしょでしょ？」
雅紀くんが、ビールを渡しながら言う。
「ニノたちに負けないくらい、仲良しだよね？」
雅紀くんのあまりにもストレートな言葉に
思わず返事が遅れて。
「……うん」
あ。
なんか変な間ができちゃった。
雅紀くんは何とも思わなかったのか、にこって笑ってカウンターの向こうに戻って行った。
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作者名：つむ
| 作者ホームページ：
作成日時：2014年11月27日 20時
