Siesta 2 【Masaki.A】 (ページ13)

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13.ツッコミの才能ページ13

村上さんはすぐにスタッフとも打ち解け、お客様からの評判も良かった。

最初にアシスタントに付いたこともあり、その後も私が付くことが多かった。

「Aさん、いいなあ。村上さんとペアみたいになってて」

「…いつでも代わるけど」

「最初店長は日替わりでアシスタント付けるつもりだったらしいですよ？
でも村上さんがAさんがいいって」

そうなの？

「お前ぐらいしか俺のボケにツッコんでくれへんからな」

後ろから声が聞こえて、振り向くと村上さんだった。

「別に私もツッコんでませんけど」

「まじで？自覚なしで？ツッコミの才能あるんとちゃう？
どや、美容師辞めて俺と漫才で日本一…」

「目指しません！」

みんなが笑う。

「あ、そうや。A昼から指名入ったみたいやで」

「え？」

慌てて予約表を見に行くと、吉川さんの名前があった。

吉川さんは、私がスタイリストとして初めて髪を切らせていただいたお客様で。

嬉しいことにその後も私を指名してくれるようになった。

「よかったな、相方！」

村上さんにオデコをぱちん、とたたかれても。

今日は、許す。