病み期 ページ30
弥生 Side
マサイ今日、仕事終わったら会えない?
弥生今終わったから、家に行くね。撮影は?
マサイ終わった。皆帰った。
部屋に行くと、マサイくんがコーヒーを淹れてくれた。
弥生：「ありがとう。」
マサイ：「なぁ…膝枕して貰っていい？」
弥生：「どうぞ。」
私の膝に頭を乗せて横になった。
そして、腕で目を覆い隠した。
何かあったんだろうな…
ボソボソと喋りだした。
マサイ：「皆、俺なら出来るって言うんだよ…」
弥生：「うん。」
マサイ：「でもさ…出来なくて。」
弥生：「うん。」
マサイ：「いつも、皆みたいに出来ない…」
弥生：「悔しいね。」
マサイ：「でも、マサイなら出来るって言うんだよ。」
弥生：「辛いね。」
マサイ：「うん…期待に答えれない自分が嫌。」
弥生：「そっか…」
ずっと覆ってた腕を外して私を見た。
押さえていたせいなのか分からないけど、涙目になってる。
マサイ：「…弥生は…」
弥生：「ん？」
マサイ：「何で、俺なら出来るとか、頑張れって言わないの？…俺が出来ないって分かるから？」
弥生：「マサイくんが十分頑張ってるのも知ってる。だから私は、いつも通りに楽しめる程度にね、って思ってるの。」
マサイ：「…弥生。」
私は、零れた涙を指で拭った。
弥生：「もし出来るって言われた事が、楽しいって思えるなら頑張ればいい。無かったら、出来ないで良いと思うんだ。だって、誰にでも出来ない事ってあるでしょ？」
マサイくんの頭を優しく撫でながら伝えた。
マサイ：「…そうだな。」
目を閉じて溢れた涙を 私はもう一度拭う。
弥生：「期待に答えようとする姿勢だけで凄いと思うよ。私だったら、無理って投げ出すもん。」
マサイ：「凄いか？」
弥生：「凄いよ。でも、そんなに気負わなくていいと思うよ。マサイくんにはマサイくんの得意な所があるじゃん。そこを伸ばせたらいいんじゃないかな？」
マサイ：「そうだな…ありがとう、弥生。」
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作者名：ちゃぴこ | 作成日時：2019年9月24日 0時
