目は口ほどに物を言う ページ1
よく晴れた晴天の日。俺山田一郎は、知り合いの飴村乱数をイケブクロに呼んでいた。
「なーに?一郎。こんなところに呼び出して。
こう見てえて、僕暇じゃないんだよー?」
『成人男性』とは思えない身長に声。楽しそうに笑っていて、相変わらずだと思った。俺は飴玉を口に放り込む乱数を見て、呼び出した理由を話し出した。
「なあ、知ってるか、乱数。『喰種』の話」
「勿論、シブヤとシンジュクが一番被害数が多いからね」
最近ニュースに引っ張りだこの『喰種』
噂によれば、【死】よりも恐ろしい化け物で、体から赤い棘のようなものを出すらしい。
「イケブクロも結構…
シブヤほどじゃねーが。ホラ、乱数、お前のオネーサン達は無事なのか?」
「今のところは…ね。オネーサンたちにも注意を呼びかけてるつもりではいるんだけど、
中々被害が減らなくて困ってるんだー」
「お前も大変だな、乱数」
「まあねー
でも、気をつけてねー?一郎」
「どうしてだ?乱数」
「案外、近くにいるもんだよ」
____言葉の意味がわからず、急いで後ろを振り向いたが、すでに乱数の姿は見当たらなかった。
そして一郎の頭の中で、いつまでも、いつまでも、さっき乱数が放った言葉が離れなかった…。
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作者名:キリン イズ | 作成日時:2019年2月8日 22時