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剣持警部の殺人(5page) ページ9

その着信は明智警視からだった。
私は直ぐに毒島くんの病室から出て着信に出る。

「え…?魚崎葉平が殺された…?」

電話に出ると明智警視から告げられたのは女子高生死体遺棄事件の加害者の1人、魚崎葉平が何者かによって殺害されたことだった。
毒島くんが未遂、今度は関係者の魚崎が殺害され、剣持警部に益々疑いが向けられることに…。

「引き続き毒島陸の警備をお願いします」

「わ…分かりました…。あの、明智警視!」

「なんですか?」

直ぐに電話を切られそうな気がして、私は思わず明智警視を呼び止めた。

「明智警視は…今回の事件の犯人が、剣持警部だとお思いですか…?」

剣持警部が犯人な訳ないのに、どうしても関係がないなんて言えない自分が嫌になる。
明智警視に違うと言ってほしくて安心したかったからなのか、そんなことを聞いていた。

それを察したであろう明智警視は単刀直入にこう告げる。

「私たちが警察である以上、彼を疑わざるを得ない。余計な私情は挟むべきではないでしょう。ですが…個人的には剣持警部が今回の事件を起こしているとは思っていません」

「すみません、野暮なことを聞いてしまいました…」

そう言って明智警視との通話を切る。
どうしたいのか自分がよく分からずにいると、突然毒島くんの病室の扉が勢いよく開いて驚く。

「毒島!?」

「どけ!俺は今すぐこの病院から出る!!」

何かに怯えて焦る毒島くんは荷物を持って病室から出ようとしたのだ。
直ぐに彼の警備をしていた私と正野さんで彼を食い止める。

「待ちなさい!君は命を狙われたのよ!?今、外に出てたらまた狙われてしまうわ!」

「そんなの知るかよ!ここにいる方が危険だ!変なメールを送りつけやがって!!」

「変なメール…?!」

気になることを言って更に暴れ出した毒島くんを取り押さえることに必死で、その先は言えなかった。
彼のガタイが良いせいか、私と正野さん2人がかりでも止めるだけで精一杯だ。

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作者名:紫亜 | 作成日時:2024年3月24日 2時

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