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彼女は10歳となった。
5歳まで続けた薬と注射の痛みが、
今では彼女には超越な力を与えていた。
最も驚くべきことは。
父方の血筋でも選ばれた者にしか与えられないと
言われる治癒の力が彼女にも宿ったことだった。
「試す時が来たからいらっしゃい。｣
「母様その手怪我したの！？消毒しなくちゃ。｣
「いいからおいで、今から口にする言葉を繰り返して。｣
母の傷口から血が滲んでいる中、
母が口にした言葉を彼女は繰り返す。
『光、大地を抱き、花は其処に咲く。
時の流れを還せん、巡り巡る運命。』
その言葉が口から零れた瞬間、光が集まる。
母の傷口に触れると、
まるで魔法のように傷は跡形もなく癒えていった。
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作者名：しゃむねこ | 作成日時：2023年11月18日 19時
