【進撃の巨人】Blue Seaglass (ページ4)

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隣で注射の準備をしていた母親に彼女は尋ねる。
それは彼女が4歳の時のことであった。

「どうして私は外に出ることが出来ないのですか？」

「外は危険がいっぱいなのよ、分かってちょうだい。｣

「私は朝に飲むお薬も夜にする注射も嫌い…。｣

「仕来りなの、貴方の父様だってしていたことなのよ。｣

朝の光が窓から差し込む時、彼女は毎朝の儀式に身を任せる。
苦い薬の味が口に広がり、身体中に広がる嘔吐感が彼女を包み込む。

夜になれば、母の手によって注射が巧みに打たれ、
彼女の血が全身を巡り熱くなるのを感じる。

毎日欠かしたことなど1度もない。

厳しい儀式は父方の家の仕来り。
だが仕来りなんて言葉は幼い彼女に通じない。

両親を愛し自分が愛されている自覚があるものの、
あの瞬間だけは好きにはなれない。

彼女は自らの運命に疑問を抱き、今日も眠りにつく。
夢であの本の世界へ行けると信じて。
　
　
　
　
　
　
　