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・ ページ2
彼女は成長するにつれ、
その目に世界への好奇心と冒険心が宿る。
年に一度、誕生日に届く特別な本は
彼女の心に春のような躍動感をもたらしていた。
「またその本を読んでいるの？｣
「母様、次の誕生日も本が欲しいの！｣
「ええ、いいわよ。｣
そのページには、何度も彼女の手が触れ、
言葉が舞い踊った痕跡が宿る。
ボロボロになったページの隅には、
幼い手の小さな指が残したチョコレートの跡。
各ページにはカラフルなお砂糖の粒が、
物語の中に優しく溶け込んでいた。
その本は、お菓子の甘い余韻。
そして彼女の無邪気な笑い声が宿る。
一度として同じ感触を与えないそのページは、
まるで幼い冒険者の秘密の手帖のようだった。
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作者名：しゃむねこ | 作成日時：2023年11月18日 19時
