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真実《参拾壱》 ページ4

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『……………………………はっ………は、ぁ………』

意識が戻ってきて目を開けると、船はひどい有り様だった

ところどころボコボコと人が落ちそうなくらいに大きい穴があいている

ふと、となりに気配を感じ目を動かすと、鏡花が目を閉じて眠っていた

『きょ、か………ゲホッゴホッ』

酷い咳とともに血が僕の口から吐き出されている

腹を見ると、羅生門に喰われたところから大量の血が流れており、かなりの大怪我をしているようだ

敦君と芥川君はどうなったのだろう…

そう考えたときだった

芥「何故だ "何故貴様なのだ"」

そう言う、芥川君の声が聞こえてきた

ハッとしたときにはすでに遅かった

腹の辺りを貫かれた敦君へ羅生門の拳がもうスピードで向かっていく

『っ敦くっ』

ゴッ

そんな鈍い音とともにドォッっと敦君が叩きつけられる

芥川君を見ると、顔は悲痛に歪み、目は狂気に染まっていた

芥「貴様の異能は所詮 身に付けて幾許も無い付け焼き刃 欠缺ばかりで戦術の見通しも甘い…………だのに_______…何故貴様なのだ」

憎悪に染まった芥川君は、血まみれの芥川君は、既に人としての何かを失ってしまっているように見えた

太宰先生関係で何かあったのだろうか

芥「______云わせぬ」

『………?』

芥「あの人にあのような言葉 二度と云わせぬ!!」

『芥川君………』

その瞬間、羅生門が敦君を掴み上げ、高く持ち上げる

敦君の回りには鋭い羅生門(やいば)が待機していた

『芥川君!!まっ』

芥「羅生門____"彼岸桜"!!」

赤い花が、僕の前で舞い踊った

ボタボタと、重い音をたてながら散るその花とともに、敦君が上から落ちてくる

咄嗟に足を動かした

間に合わないかもしれない……けど、間に合わせる…!

『っ、敦君!!』

腕のなかに落ちてきた敦君を寝かせて呼びかけた

真実《参拾弐》→←真実《参拾》


今日の文豪名言集

死ぬということは、生きているよりいやなことです。けれども、喜んで死ぬことが出来れば、くだらなく生きているよりは幸福なことです 谷崎潤一郎


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きこ(プロフ) - 27位おめでとうございます!凄いですね!尊敬です♪ (2016年7月4日 1時) (レス) id: c334518b24 (このIDを非表示/違反報告)
蒼眞凪(プロフ) - 霰さん» コメントありがとうございます!!更新頑張ります! (2016年7月3日 18時) (レス) id: 975f835996 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます…!更新頑張ってください……!! (2016年7月3日 17時) (レス) id: 090d49de5e (このIDを非表示/違反報告)
蒼眞凪(プロフ) - 悠誠さん» ありがとうございます!!頑張ります!コメントもありがとうございます!!!! (2016年7月3日 16時) (レス) id: 975f835996 (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - この作品凄く面白いです!国木田さん関連作品少ないので凄く嬉しいです!!頑張って下さい! (2016年7月3日 13時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨宮碧音
作成日時:2016年7月3日 12時

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