【文豪ストレイドッグス】《真実》の弟、《理想》の兄 ___ 弐

真実《肆拾》 ページ14

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結果から言えば、ナオミ嬢の兄は扉へ吸い込まれていってしまい、今は敦君が一人で頑張っている


否、頑張って"いた"

敦君は、反対の扉に向かって走りだしたんだ

敦君、いったい何を考えているんだ………？

モ「お友達を捨てて逃げる気！？」

森「独斗君、彼を止めてこのリボンを渡して」

『え？ああ、御意』

僕は手帳を開き、字を記していく

『血字自現ー梟(きょう)ー』

異能力生命体、梟型の闇である梟(きょう)幻闇獣よりも血は必要しないが産み出せる異能力生命体

梟は敦君の前に飛び出すと、敦君の頭に頭突きを喰らわした

ゴチンッ

敦「い"っ！？」

嗚呼、ごめん敦君、結構いい音したね

『敦君、君は友を捨てて逃げるのかい？』

敦「……独斗さん…」

『彼女が嘘をついていなければ、君は本当に記憶を失う、それは嫌だろう？』

だから、一人じゃないのだから……

もっと、頑張って

『森さんからだよ、このリボンを使えとおっしゃっていた』


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もう一度、結果から言うと、敦君は見事リボンを利用してこのお遊戯(ゲーム)に勝つことができた

現在、アンの部屋から抜けたところだ

『…………………』

こういう組織で、このような結果は殺されるか、組織を追われる

モンゴメリ嬢に近づき、僕は彼女の頭を撫でた

『君は、まだ争いに赴くほどの覚悟を持ってはいなかった』

モ「………………」

『モンゴメリ嬢、君は、争いに身を投じるには幼すぎた』

モ「…………っ……」

彼女の手を引いて立たせ、背を押した

『さぁ、帰し給え…君の存(あ)るべき居場所へ』

モンゴメリ嬢は僕の方をちらりと伺った後、走り去っていった


森「独斗君！そろそろ行くよー」

エ「独斗！早くー！」

エリス嬢………いつの間に……

まぁ、無事でいたのなら良かった…

『…御意！』

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死ぬということは、生きているよりいやなことです。けれども、喜んで死ぬことが出来れば、くだらなく生きているよりは幸福なことです 谷崎潤一郎

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