真実《弐拾玖》 ページ2
福「……わかった」
福沢諭吉が、そう言い僕に目を向ける
福「ただし、探偵社社員に危害は加えないでもらおう」
『そこは重々承知しておりますよ福沢諭吉殿』
福沢諭吉は目を閉じ、兄さんに何かを放り投げた
福「……港に社の小型高速艇が有る」
国「……」
福「今出せば間に合う」
福沢諭吉が投げたのは一つの鍵
それを受け取ったのは兄さんだ
国「…………行くぞ独斗！」
『………うん！』
走り出した兄さんの後を追い、僕は武装探偵社を飛び出した
与「……国木田兄弟コンビ、約六年ぶりの再会ってやつかねぇ」
与謝野晶子がそう呟いたのを、僕も兄さんも知らなかった
__________
『！見えた！』
国「嗚呼………敦ィ！！」
ゴォォォォォォっと音をたてる高速艇から兄さんが敦君の名を呼ぶ
その直後…
船がドオッっと音をたてて爆破した
『なっ…』
国「爆破だと！？」
『どういうこと！？船のなかで、いったい何が……』
国「…くっ……敦！沈むぞ 来い！」
そう言ってから、兄さんは僕の方を見た
国「船をできるだけ近づける、お前が助けたい者はお前自身の手で救え！独斗！」
やっぱり、僕は兄さんは嫌いだ
嫌いで、大好きで、謙遜してるし、尊敬してる……自慢じゃない自慢の兄だ
『ふふっ、分かってるよ！そんな事！』
船の縁に足をかけ、僕は鏡花の囚われている船へと跳んだ
大きな船に足をつけるのと同時に、僕は船の奥へ走り出した
途中で敦君とすれ違った
多分、敦君は此方に戻ってくる
だから、所詮僕は時間稼ぎだ
『っ鏡花ァ！！』
鏡花の首に手を掛けている芥川君を見つけた
急いで手帳を取り出し、血を滴らせる
『血字自現―幻闇獣(げんあんじゅう)―！』
芥川君の異能力に似た獣が芥川君の体を鏡花から引き剥がす
勿論、芥川君に傷がつかないように異能力生命体である彼は配慮してくれる
倒れている鏡花を抱き起こしたのと同時に、異能力生命体は時間切れとでも云うようにすぅっとその姿を消した
今日の文豪名言集
死ぬということは、生きているよりいやなことです。けれども、喜んで死ぬことが出来れば、くだらなく生きているよりは幸福なことです 谷崎潤一郎
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きこ(プロフ) - 27位おめでとうございます！凄いですね！尊敬です♪ (2016年7月4日 1時) (
レス) id: c334518b24 (このIDを非表示/違反報告)
蒼眞凪(プロフ) - 霰さん» コメントありがとうございます！！更新頑張ります！ (2016年7月3日 18時) (レス) id: 975f835996 (このIDを非表示/違反報告)
霰 - 続編おめでとうございます…！更新頑張ってください……！！ (2016年7月3日 17時) (レス) id: 090d49de5e (このIDを非表示/違反報告)
蒼眞凪(プロフ) - 悠誠さん» ありがとうございます！！頑張ります！コメントもありがとうございます！！！！ (2016年7月3日 16時) (レス) id: 975f835996 (このIDを非表示/違反報告)
悠誠(プロフ) - この作品凄く面白いです！国木田さん関連作品少ないので凄く嬉しいです！！頑張って下さい！ (2016年7月3日 13時) (レス) id: d7a17771ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨宮碧音
作成日時：2016年7月3日 12時
