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貴方side
ぼーん、とリビングの時計が17時を告げた、とある日の夕方
そろそろ夕飯の支度でも始めようかとテレビを消して立ち上がる
その時、段々と階段を複数人が下ってくる音が聞こえてくる
こんな時間に誰かが帰ってくるなんて今までになかった
でも1階の階段の扉を通れているのだから関係者に間違いないだろう
少し変な胸騒ぎがするのを落ち着かせて扉の方に注意を払う
扉が開くとそこには4人ほどの見知らぬ男の人が立っていた
きちっとネクタイを締めてスーツを着ている人もいれば、Tシャツにズボンと緩めな格好をしている人もいる
なんともアンバランスな集団だ
『あ、あの……どちら様でしょうか』
｢なぁこいつか？｣
｢間違いないな｣
｢はーーほんとにただの女なんだな｣
ガヤガヤと騒ぎ始める彼らを前に足が動かなくなる
怖じける自分を奮い立たせ、声を喉奥から絞り出す
『…あの、関係者の方じゃ、…ないんですか』
｢あ？関係者ぁ？｣
｢なんだ、俺らのこと知らねぇのか。我々ンとこのお嬢さんよぉ｣
お嬢という久々な呼び方に背筋が凍りつく
しかも我々のところ、と言っていた
わざわざ我々組の関係者がそんなことを言うはずない
｢うちんとこの頭がお前のことを欲しがってんだ。サツに売り付けんだとよ｣
『だ、…誰なんですか、貴方達は』
｢グチグチうるせぇなー…｣
｢桜花組っつったら流石に分かんだろ？｣
桜花組という単語にびくりと体が反応する
今目の前にいるこの人たちが、トントンさん達と何代にも渡り対立をしているという桜花組であるという事実に血の気がさっと引く
｢つーわけで大人しく俺らについてこい｣
がしっと乱雑に腕を掴まれる
その力は強く、ほんの少しでも抵抗しようものなら骨ごと砕かれてしまうのではないかとすら思ってしまう
それでも連れて行かれるよりはましだ
『は、離して、くだ、さ………』
突然口元に何かを当てられる
そのまま慌てて息を吸い込むとぐらりと一気に全身の力が抜けていく
頭が回らない
体も思うように動かせない
薄れていく意識の中で男たちの嘲り笑う声だけがガンガンと鼓膜にこだまする
｢ざまぁみろ｣
｢これで大金ゲットだな｣
｢我々のヤツらもこれで終わりだ｣
最悪だ
ごめんなさい、皆さん
悔やんでも何もできるはずもなく、そのまま意識を手放した
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そると(プロフ) - 時計さん» 時計さん、コメントありがとうございます！楽しんで頂けたようで嬉しい限りです…！！ぜひ気になる作品がございましたら立ち寄ってみてください！ (2021年9月20日 12時) (
レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
時計 - ヤバイっすね神作品ご馳走さまですtnさんかっこよすぎて悶えてますこれからも頑張ってください。（早口） (2021年9月20日 12時) (レス) id: 61f9818175 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - おりーぶ。さん» おりーぶ。さん、コメントありがとうございます！なんかこう、いい感じにいけて満足してます…w次作も頑張りますのでもしよかったら見てあげてください…！ (2021年9月3日 17時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
おりーぶ。 - 完結おめでとうございます！！終わり方まで上手い……！ (2021年9月3日 17時) (レス) id: a38d3e7402 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - 比害者Aさん» 比害者Aさん、コメントありがとうございます！最後まで閲覧してコメまでくださって嬉しい限りです…！ (2021年9月3日 10時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そると
| 作成日時：2021年8月14日 22時
