脅威のお師匠はあの人の姉貴【wrwrd】

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貴方side

王子様がたじろいでいる一瞬の隙にベランダまで素早く移動する

「それ以上、動くなよ」

かちゃり、と後ろで拳銃の音がする

「せっかく一発で逝かせてあげようとしましたのに…ちゃんと遊んであげますね」

『拳銃一発で死ぬほど、私も柔くないんで』

「そうですか…なら」

ぱん、と乾いた音と共に発砲される

弾丸は私の横腹を掠る

私はそこを抑えながらふふ、と笑い振り返る

彼は恐怖で顔を引きつらせていた

「、なぜ立っていられる」

『さァ？何故でしょうか』

月夜に晒されるベランダでそう言ってから下へと飛び降りた

1階下まで降りてきてからふう、と溜息をつく

先程の銃弾は兄さんが開発した、撃たれると赤い液体が滲む防弾チョッキのお陰だ

掠ってくれたお陰で私はノーダメージで逃げて来られた

後でお礼を言おう、なんて思いながら胸ポケットから鋭く小さい刀を取り出す

『(めんどくさい…)』

口にそれを咥え、勢い良く手錠めがけて振り下ろす

二、三度そうしているとどうにか鎖を切断することができた

急いでインカムへと手を当てながら室内へと侵入し、廊下を駆ける

『ロボロ、ロボロ！聞こえてる？』

ザザーっという雑音の後に小声で彼の声が聞こえてくる

rbr「…──けて、─ムが──ない」

『チッ…駄目だ、聞こえない…』

取り敢えずグルさんの部屋目指して階段を駆けのぼって行った

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