脅威のお師匠はあの人の姉貴【wrwrd】

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zm side

その日の夜

ぼーっと無機質に明るい廊下の窓辺に座り込み、細くなっている月を眺めていると後ろからゾム、と名前を呼ばれた

zm「…なんやシャオロンか」

sya「なんやって何やねんw」

隣にしゃがみこんできたそいつは微かに酒の臭いがした

sya「何辛気臭い顔しとるん？w」

zm「してへんわ」

へらっと笑う彼を横目にもう一度月へと目を戻す

sya「…あ、せや。Aさんのとこ行かんか？」

zm「ええけど」

sya「よし、じゃあ"いい道"教えたるわ」

zm「いい道…？」

ついてきて、と言われるがままについていくと医務室のある階段

ではなく、少し天井が低くなっている廊下までやってくる

よく分からず辺りを見回しているとシャオロンは軽々と飛び上がり、天井を押す

zm「！！」

sya「な？すごいやろ」

押した場所からぽっかりと人一人分が通れる程の穴ができる

zm「これは？」

sya「元々スパイ対策として定期的にここを見回っとったんやけどな、今時こんな古風な潜入なんてどこもせんから使っとらんねん」

よっ、と言ってまた飛び上がり、天井の暗い穴へと吸い込まれていく

sya「ゾムなら軽く飛べば上がれるで。ほら行くんやろ？はよしぃ〜」

中から聞こえてきた声に従って飛び上がり、天井裏の中へと入る

少し腰を屈めるだけでいい広めで暗いスペースが広がっていた

sya「時々な、ここを使って移動するんやけど最近医務室まで行けることが分かったんや。やからAさんを脅かしに行かへん？」

悪そうな声に、思わず暗くてもにやりと笑う顔が容易に想像できた

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