第2話 ページ4
レヴィが首をもたげ、鉄格子の向こう側にいるマスターを鋭い目付きで睨む。
そんなことを知らない私は、急いで鉄格子に近寄り、膝まづいて頭を垂れた。
「ど、どうされたのですか……? あなた様が直々に私なん
かの元へ来てくださるなんて……」
マスターは青い目を細めて微かに笑った後、しゃがんで私と視線を同じにした。
「楽にしていてくれてかまわない。雪、今日はお前に
頼みがあってな。……聞いてくれるか?」
「聞くわけないでしょ! さっさとどっかに行きなさい
よ!」
レヴィがマスターに牙を剥く。
それを内心ひやひやしながら無視する。
レヴィの声は、マスターには届かない。姿も見えないらしい。何もこれはマスターだけでなく、他の人間もそうなんだとか。
レヴィが言うには、自分は人間が嫌いだから姿を見せるのは嫌だとかなんとか……。
「依頼……ですか?」
私がそう言うと、マスターはそうだと頷いた。
この組織は、国や地方公共団体など様々なところから依頼を受けている。
魔物の討伐や、凶悪犯罪者を捕らえたりなどのような依頼だ。
マスターがここに来たんだ。よっぽどの大事なのだろう。
そう思い依頼の内容を教えてもらえるのを待った。
「雪、お前には神風学園に潜入してもらう」
「え……」
一瞬、何を言われたのか理解出来なかった。
私が……潜入……? 神風学園に?
「ええ!?」
神風学園とは、魔法科高校の間で五指に入る程の有名な学園だ。そう、魔法科高校で。
「ま、マスター! 私は魔法が使えませんよ? 」
私は魔法が使えないのだ。それなのに魔法科高校に潜入だなんて……期待に応えられるとは思えない。どうして私が選ばれたんだ?
「……不服か?」
慌てて首を横に振り、そうではないと意思表示する。
「まさか! マスターからのご命令です。私には拒否権な
どありはしません。ただ……どうして私なのかと愚考
しておりまして……」
魔法を使えない私がいったところで、役に立てないのは目に見えている。
するとマスターは、相手方の指定だと言った。
「『組織内で最も強い者を潜入させてくれ』と言われたか
らな。ここで一番強いのは、間違いなくお前だ」
青い瞳がじっと私の目を見つめる。
「……わかりました。神風学園に潜入させていただきま
す」
元々、私には拒否権どころか選択権もないのだ。行く他ない。
「すまないな。では、今から依頼内容を説明する」
5人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朱里(プロフ) - ナンシー・ハジェンズさん» アドバイスありがとうございます! 参考にさせていただきます!! (2013年8月26日 21時) (レス) id: 13f8c978a2 (このIDを非表示/違反報告)
ナンシー・ハジェンズ(プロフ) - 自由に描いてもらったら別に良いんだけど、まぁこんな意見もあるんだと思って見てくれたらと思います。ちょっと御拝読させてもらったんだけど、文章の構成に違和感があったかな。順序を入れ替えるだけでも大分違うし。推敲をもう少しやってみては? (2013年8月26日 19時) (レス) id: 61cd583815 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朱里 | 作成日時:2013年8月24日 12時