第22話 ページ26
☆明神 龍斗side☆
自力で調べると決めたのはいいものの……やはり当てはないわけで。結局実家の力を借りることにした。
日付はすでに変わっているが……まあいいだろう。一応、俺もここの息子なんだからな。
明神と書かれた表札を一瞥し、鍵を開けて門をくぐる。
そこはドラマや映画でよく見る日本家屋だった。俺の場合は毎日飽きるほど見てたわけだが、それも昔のことだ。何せ今は自由気ままな一人暮らし。ボロアパートでも立派なマイホーム。
うむ、と一人うなずき、ずかずか歩みを進める。
もう真夜中だ。誰にも見つからな……
「ぼ、ぼっちゃん!?」
ちっ。バレたか。
聞き慣れた声のした方に軽く手を振る。
「よっ。久しぶりだな」
「よっ。じゃないですよ! いきなり家出なんてして……心配したんですからね!」
四十代半ばほどに見えるこのおばさんは、明神家に使えるいわゆるメイドってやつだ。たとえ四十代であっても、眼鏡がなくても、髪型が三つ編みじゃなくても、メイドだ。
「それはともかく……やっと帰ってきてくださったのですね……」
嬉しさに涙を滲ませているところ悪いが、帰ってきたわけではない旨を説明する。
「いや、帰ってきたわけじゃない。ちょっと調べたいことがあってな」
「調べたいこと、ですか」
「ああ。転校生で気になる子がいてな」
アイツは俺の敵になる確率が高い。夜の校舎をウロウロするなんて、普通の生徒じゃないだろ? いずれ争う確率大……というか、その気しかしない。ちゃんと調べておかないとな。
「よくはわかりませんが……もうこんな時間です。明日……いえ、数時間後にまた来てはいかがでしょうか?」
それもそうだな。
メイドに見えないメイド言うことに従い、俺は帰ることにした。
今日は色々と疲れた……。せっかく夜の校舎に忍び込んで目的を果たそうとしたのに、あのクソガキに邪魔されるわ蹴られるわ……今日は厄日か!?いや、昨日か。
「じゃ、また数時間後に来るわ。またな」
回れ右をしてそのまま愛車に乗り込む。
今から帰って、一体何時間寝られるだろうか……。
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朱里(プロフ) - ナンシー・ハジェンズさん» アドバイスありがとうございます! 参考にさせていただきます!! (2013年8月26日 21時) (レス) id: 13f8c978a2 (このIDを非表示/違反報告)
ナンシー・ハジェンズ(プロフ) - 自由に描いてもらったら別に良いんだけど、まぁこんな意見もあるんだと思って見てくれたらと思います。ちょっと御拝読させてもらったんだけど、文章の構成に違和感があったかな。順序を入れ替えるだけでも大分違うし。推敲をもう少しやってみては? (2013年8月26日 19時) (レス) id: 61cd583815 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱里 | 作成日時:2013年8月24日 12時