第13話 ページ17
夕方の校舎。残っている生徒は部活動をしている者くらいだ。
オレンジ色に染まる廊下を歩き、私がたどり着いたのは図書館。場所は美桜に口頭で説明してもらっていたため、迷うことなく着くことが出来た。
スライド式の扉を開けて、膨大な量の本がある部屋に足を踏み入れる。この時間になると、さすがに教師の姿はない。職員会でもしているのだろう。
魔道書、辞典、雑学本など様々な本があるが、それらには一切目もくれず隅にある扉へと近寄づく。
「ここかな……?」
ドアノブを回して扉を押すと、そこには多くの棚と大量のファイルが。
「まずは……生徒から」
『生徒資料』と書かれた紙が貼られている棚の中から、ある人物の資料を取り出した。
そのファイルに書かれている名は『鳴神 雷火』。
ファイルに保管されている紙切れに目を通すと、貴重な個人情報が懇切丁寧に記載されている。
「なになに……?『鳴神 雷火。性別・男。ホーム・1ホー
ム。入学当初から学園二位の座についている__』……
すごいんだ」
ていうか、個人情報なのにこんな無防備な取り扱いでいいのか。
「鳴神 雷火……?ああ、あの男の子ね」
私の腕をつたい、ファイルに顔を近づけるレヴィに思わず苦笑する。
「もう忘れてたの……?レヴィ、あの時ちゃんといたじゃ
ん」
「人間に興味はないわ」
本当に興味はないらしく、すぐに私の首に弛く巻き付く。
さて、次は教師だ。
今朝あった青年の情報を手にしたいのだが、名前を知らないので一つずつ目を通さなければならない。……夜にならなければいいが。
「これ……全部見ないといけないよね……」
「それはそうでしょう。だって顔しか知らないでしょ
う?」
……そうなんだよね。
仕方ないので渋々と地道な作業を開始。
一つファイルを見ては戻し、また新しいファイルを手に取る……という幼稚園児でも出来る極簡単な作業をすること三十分ほど。幸運にもそれは見つかった。
「あった……!この顔だ!えーっと……?『明神 龍斗』
……?」
明神……どっかで聞いたことがあるような……。
はて、どこで聞いたんだかな?と頭を捻っていると、レヴィが興味を示したかのように首をもたげた。
「あら、明神ってあの明神家?」
「知ってるの?」
「もちろん。明神家は古くから栄える有名な魔法一家じゃ
ない」
「へぇ……そうなんだ」
何でそんなお方が教師なんかやってるんだ……?
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朱里(プロフ) - ナンシー・ハジェンズさん» アドバイスありがとうございます! 参考にさせていただきます!! (2013年8月26日 21時) (レス) id: 13f8c978a2 (このIDを非表示/違反報告)
ナンシー・ハジェンズ(プロフ) - 自由に描いてもらったら別に良いんだけど、まぁこんな意見もあるんだと思って見てくれたらと思います。ちょっと御拝読させてもらったんだけど、文章の構成に違和感があったかな。順序を入れ替えるだけでも大分違うし。推敲をもう少しやってみては? (2013年8月26日 19時) (レス) id: 61cd583815 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱里 | 作成日時:2013年8月24日 12時