#17 -出会い-＊ ページ19
Aside_
男の人は私から財布を取るだけではなく、手が服の中に入ってくる。気持ち悪い……。
不快感に体が強張り、目をギュッと瞑る。
「ぐはっ！」
鈍い音と共に男の人の声が聞こえた。その瞬間、男の人の手が肌から離れた。何事かと思って恐る恐る目を開くと男の人が倒れていた。
「な、なんだ！てめぇ！」
顔を上げて見ると黒い髪の男の人が立っていた。その男の人は次の瞬間に私の腕を掴んでる男の人も殴った。
「チッ……クソ。汚ねぇもん触れちまった。」
男の人は舌打ちをしてそう言うと、懐から取り出したハンカチで手を拭いていた。
『えっと……、助けてくださり、ありがとうございます』
そう言うと意識を失っている男の人の懐に恐る恐る手を入れて、さっき盗んだ財布をまた盗み、走った。
「おい、待て」
けれど、すぐに腕を掴まれて止められてしまう。
情けないことに助けてくれた人だけど、先ほどの感覚を思い出して少し身体が震えてしまう。
『な、なんでしょうか……』
「チッ、そんなにビビるな。そんなに馬鹿なことしてまで金が必要なのか」
男の人は舌打ちをしながらも手を離してくれた。
『母が倒れて薬を買いたいんです。急いでるんで、すみません』
そう言って走ろうとしたが、またも腕を掴まれた。
「……倒れた原因がなにかわかってんのか」
『わからないけど、行かないと母さんが！』
そう叫ぶと、母さんのベッドの上で苦しそうにする姿を思い出して涙がポロポロと頬を伝う。
そんな顔を少しでも見られないように下を向く。
「はぁ、案内しろ」
ため息を吐きながら、案内しろとぶっきらぼうに言う男の人に呆気に取られてしまう。
すると、男の人は上着を私にかけると抱き抱えて来た。
上着があるせいか、さっきの男の人と違いぶっきらぼうな言い方でも優しさが含まれた声だからか不快感はなかった。
『……え？』
「道はどっちだ」
『あっち』
そう指を刺したら、男の人は私を抱えたまま歩き出す。
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すず(プロフ) - なにこのおもしろそーなの！読ませて頂きます！！ (8月9日 0時) (
レス) id: 31af31f23c (このIDを非表示/違反報告)
燈-tomo-(プロフ) - ゆくさん» コメントありがとうございます！気づけませんでした……、教えていただきありがとうございます！修正させていただきました！ (5月19日 14時) (レス) id: 565a7f0be0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆく(プロフ) - 楽しく読ませて頂いてます！#22 -絶望の中で鈍く光る-03の会話にある「奪略者よ。開拓地の移動を願ったの」の所ですが【脱落者】ではないでしょうか？？指摘が間違っていたら申し訳ないです。。 (5月19日 13時) (レス) @page25 id: 3907a8f32c (このIDを非表示/違反報告)
燈-tomo-(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます！正しい内容に修正しました！ (2023年3月20日 9時) (レス) id: 565a7f0be0 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 見させてもらってます！12話と13話が同じ内容になってます！ (2023年3月20日 9時) (レス) @page14 id: b0eae5c7d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燈-tomo- | 作成日時：2023年1月15日 22時
