#153 -アニとの過去-＊ ページ22
Aside_
訓練兵になって初の対人格闘訓練。
アニとペアになって、2人でサボっていた。
キース教官が近くにいたので、怒られないように軽く対人格闘をするが、ボケっとしていてアニの拳が顔に当たりかけた時に、咄嗟に攻撃を流して本気で反撃してしまう。
けれど、アニはその反撃をいとも簡単に流して私の体を投げた。
『うっ！』
私の体は地面に叩きつけられた。
「あ、ごめん」
『いや、私がボケっとしてたから気にしないで。それより、アニって強いんだね。誰かに教わったの？』
そう聞くとアニは一瞬、少し悲しそうな顔をした。
「――それより、早く立ち上がりなよ」
そう言って手を出して来たので、その手を掴んで立ち上がろうとしたが、
『…っ！』
アニの手を掴むと頭痛が起こった。
頭に映像が流れるように過去が見える。
――――――
木に布団のような物が巻き付けられた模型を蹴り続ける。
「いいぞ、アニ」
そう言われた後もずっと蹴り続ける。
「さすがは俺の娘だ」
少し休むと「何やってるアニ！休むな！」と言われて再び蹴り始める。
――――――
そんな、短い過去が見えた。
「A？」
『ごめん、ボケっとしてた』
アニは手を掴んだまま起き上がらなかったので声をかけて来た。
そう言って立ち上がると、軽く目眩を起こす。
「アンタ顔色悪いけど大丈夫なの？」
『うん、もう大丈夫そう……。アニってお父さんに格闘技教わったの？』
「なんでアンタがそれを？」
アニは少し驚いた表情をした後、怖い顔をして聞いて来た。
『いや、ちょっと見えて』
「見えたってどう言うこと？」
あ、余計なこと言ったかも。
『あー、えーっと、他の人には言わないでね』
そう言って私はアニに過去が見える事を言った。
『まぁ、まだ数回しか見たことないんだけど』
「ふーん、そうなんだ」
『え！それだけ？』
言い終わるとアニはつまんなそうに返事をした。
その後は過去について話さずに、訓練はサボりながらしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 746人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
燈-tomo-(プロフ) - 月さん» ありがとうございます！アニメも完結したので、少しずつ更新していきますね♪ (11月6日 18時) (
レス) id: 565a7f0be0 (このIDを非表示/違反報告)
月 - 実は前から密かにファンです(*´˘`*)燈さんのペースで更新楽しみにしてます( ˆ ˆ )/♡ (11月5日 21時) (レス) @page6 id: 0625cd64d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：燈-tomo- | 作成日時：2023年10月9日 21時
