一歩ー沢村サイドー ページ10
由良戦後…
奥村「マウンドからベンチの声は聞こえてましたか？」
沢村「聞こえてたよ…たぶん」
沢村「これが夏の大会。由良の選手が泣いてるの見てたら、軽々しく次は必ず…なんて言えないけどよぉ
…自分のボールでチームに貢献したい」
ーーーーーー
A「今、きみは何をしないといけない？誰と話さなきゃいけない？私に慰めてもらいたくてここに来たの？」
今日の松瀬さんは違った
鋭い目つき
言いたいことは分かってる
去年目の当たりにした突然くる終わり
この夏の厳しさを俺たちは知っているから
だからこそ、この時しかない仲間と過ごす時間を大事にしないといけない
沢村「違います！…俺はただ松瀬さんに投手としての…「ないよ」
さり「きみに教えることはもうない」
冷たく聞こえるのかもしれない
だけどこの人の本心は違う
A「どんな苦しい場面でも、そんな場面だからこそチームの想いはきみの一球に託される」
エースナンバーを貰った日に言われた言葉
エースはいつだって頼られる存在でいなきゃならない
気づけばこれが最後の教えだったんだ
降谷に厳しくしていたのもエースとして接していたから
A「苦しい時は仲間の顔を見ればいい。
それでも、重圧に負けそうになった時はいつでもおいで」
いつの間にか優しい笑顔に戻っていた
そうか…
この人も最後の戦いが始まってるんだ
今までたくさんの人に背中を押してもらった
エースとしてのはじめの一歩は小さかったのかもしれない
だけど、この経験をバネに
さらに飛躍できるように
チームに貢献できるように
沢村「松瀬さんありがとうございます
エースとしての成長をみててください！」
A「期待してる」
ーーーーーーーー
法兼学園戦
倉持「とりあえずひとつずつな！」
春市「初球振ってくるよ！」
白洲「…ﾋﾞｼ！」
前園「いったれや！！」
東条「いいとこ見せてよ！」
金丸「楽しもーぜ！」
大丈夫
仲間の声もちゃんと聞こえる
沢村「やらかしてしまった過去のことよりも！
やらかすであろう未来のことよりも！
…大事なのは今！やらかしかねないこの瞬間！！
ガンガン打たせていくんでバックの皆さんよろしくお願いしますっ！！！」
全ての経験を糧に
まだ始まったばかり
俺はまたエースとしての一歩を突き進む
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作者名：春春 | 作成日時：2021年9月29日 22時
