人生万事塞翁が虎─17 ページ19
太宰side
敦君は異能により白虎へと姿を変えた
虎は大きなうなり声をあげながら襲いかかってくる
『太宰さん!平気なのか?あんなの相手にするなんて…えっ!?』
後ろにいる彼女を抱き寄せ、虎の突進をかわす
落ち着いた雰囲気の彼女が慌てているを見るのはなんだか新鮮な気がして、にやにやと笑う
『なにしてんだよ!あんた、腕っぷしで勝負するタイプじゃなくて頭で勝負するタイプだろ!?』
「おや、どうしてそう思うんだい?」
『特に理由はない、そう思っただけ。それより、彼奴をどうにかしないと…』
虎が前足を振り上げる
それを避けるべく足に力を込める
『ハァ……“ブースト”』
と、抱き上げたAちゃんが小さく呟いた
足元に赤い魔方陣が一瞬だけ現れ私の足に吸い込まれるようにして消える
───無効化しなかった…?私は反異能力者なのに…異能ではないなにかを使えるのか…?
横に飛ぶといつもより軽い力で避けることができた
私の後ろにあった大きな木箱が砕ける
「こりゃすごい力だ。人の首ぐらい簡単に圧し折れるね」
『ご心配なく。私がさせませんので』
「おぉ、格好いいねきみ」
さらっと男前なことを云った彼女を見る
ますます彼女の素顔が見たくなった
「おっと…」
虎を避け続けていると壁に追い込まれた
『どーするんです?追い込まれてるじゃないですか』
ため息をつきながら云う彼女に視線を移す
「でも、君の弓があるでしょ?」
『あれは、本物の虎ならの話です。虎の正体が敦なら、できません』
「ふふふ、なるほど」
『まさか、虎に食いころされるのもいいとか考えてないですよね?』
「あ、ばれた?私的には…虎に食いころされる最期も悪くないが…」
そこまで云って虎に視線を戻す
もうすぐそこまで虎は迫っている
「君では私を殺せない」
蒼白い光の文字の羅列が辺りを照らす
後ろで彼女が『おぉ…』と小さく漏らす
───異能力『人間失格』
「私の異能力は凡百地の能力を触れただけで無効化する」
虎は徐々に姿を変えもとの少年の姿に戻った
気を失っているのか私の胸に倒れ込んできた敦君
「…男と抱き合う趣味はない」
といって敦君を放す
『うわー、そこでちゃんと受け止めてたら見せてあげても良かったのにな…』
「え、そうだったの!?」
『残念』
項垂れていると国木田くんの声が響いた
国木田「太宰!!」
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素敵帽子くん - 続編へ! 話すなら#2でェ!! (2020年7月7日 8時) (レス) id: a7283ddb7a (このIDを非表示/違反報告)
素敵帽子くん - 無継さん» ありがとうございます! いま、急展開です。 (2020年7月7日 8時) (レス) id: a7283ddb7a (このIDを非表示/違反報告)
無継(プロフ) - 素敵帽子くんさん» はい。設定が細かくてここまで設定を細かくできて凄いなぁ。って思いながら読んでました (2020年7月5日 19時) (レス) id: fbd5b2b374 (このIDを非表示/違反報告)
素敵帽子くん - 無継さん» いや、読んでくださいました?? (2020年7月5日 19時) (レス) id: a7283ddb7a (このIDを非表示/違反報告)
素敵帽子くん - 無継さん» 私の 俺は君に惚れた。 読みました? (2020年7月5日 19時) (レス) id: a7283ddb7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無継 | 作成日時:2020年4月28日 19時