【d!】弟扱いするんじゃない【男主】 (ページ3)

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■ ページ3

『絶対言ってない！』

sh「お前なぁ。確かに言っとったぞ！実況やるって」

外で騒ぐわんちゃんにため息をつく。
昨晩飲みすぎたせいで朝っぱらから頭痛に悩まされていたのにも関わらず、鳴り止まないインターホンに出たらこれだよ。どこの宗教勧誘？帰れや。

『確かに言ったかもしれんけどさあ、今頭痛酷いねん』

sh「言い訳すんなや。こっちは言質とってるんやからな」

『そんな…』

「てことで入れろや、寒いねんオラ」と低い声で唸ってきたのでそろそろ入れてあげた。どうやら俺は昨夜、実況をやるとほざいたらしいな。
シャオちゃんには申し訳ないけどガチで言った記憶がない。

余程のことがない限りはあの集団には入らないと思うよ俺…。

sh「とりあえず俺がこの前置いてった機材の使い方教えたるから」

『ｱｱ…拒否権ないんだねやっぱり』

sh「当たり前やん。ほらここ座れや」

指図された場所に座ると、後ろにシャオちゃんも座ってバックハグされる。

とりあえずシャオちゃんに手取り足取り教えてもらっちゃった。
最後に一緒に動画を見た。少しでもグループの雰囲気を感じてもらおうって魂胆らしい。
なんかおじさんがいっぱいいた。

sh「これマイクな。ちょっと喋ってみ」

『うんこー』

sh「小学生かよ」

一般男性使用済みのマイクを貰い、実際に喋ってみると意外と楽しかった。

なんかここまで用意されると逆に断りずらい。
というより断れない雰囲気になってきた。

sh「こっちの準備は俺に任せれば何とかるから、22時にまた電話する」

『ん、？22時？…え、今日撮るん！？』

sh「いや顔合わせやな、起きとけよ」

ポンと頭に手を置き家を出ようとするシャオちゃんを追いかけると「あ、せや」と立ち止まった。

『まだ何か…』

sh「A、またピアス開けたん？」

『え、おん。右に2個』

sh「んー…。ちょっと見してみ」

返事する前に耳をさわさわされる。眉毛がへの字になってるのはシャオちゃんが心配してるときの癖だ。

sh「お前さ…あんま耳に穴開けんなよ。なんか痛そう」

『えー、うん分かった』

sh「次開けたら耳ちょん切るで」

じゃあな、と笑いながら家を出ていく。
冗談にしてはかなりワロエナイがどこか彼らしくて懐かしささえ感じる。

『昔から変わんないよな。めっちゃ過保護で心配性なところ』

実況が少し楽しみになって来たのは言うまでもない。