【d!】弟扱いするんじゃない【男主】 (ページ2)

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■ ページ2

『俺の眼鏡…あ、俺昨日からコンタクトやったわ』

男の名は風見A

現在進行形で酒に呑まれている。

『見てやシャオちゃん～俺の美しい二重幅を』

良く言えばひょうきん、悪く言えばただの馬鹿である。

sh「ふへ、ホンマやな～めっちゃ鼻筋通ってるやん」

Aの額を撫で回す彼はシャオロン。
Aの先輩である。

先程から酒に酔い話が全く成立していない2人だが、後に我々だの兄弟枠として革命を起こすことになるのは少し先の話。
今は単純に酔っ払ってはしゃぎ回るおじさん達である。

sh「なあなあ～そろそろ本気で実況のこと考えてくれへん？」

酔っているせいでいつもより間延びした喋り方をするシャオロン。

『え～なんやったっけそれ』

忘れるなよ。

sh「だーかーらー…俺らと一緒に実況やらへんって話」

Aの肩を組みながら酒のペースを緩めるシャオロン。
今更緩めるな。

実の話、シャオロンがこの話を持ちかけたのは今日が初めてではない。
彼のお気に入りのAには是非ともウチのメンバーに介入させようと様々な手口を使用したが、全て尽く失敗に終わっている。

そこで最終手段として用意した作戦は

【酔いつぶれたAならOKしてくれるんじゃね】

作戦である。

せこ。

そんなシャオロンの言葉に数秒間を置きAは(やめておけばいいのに)赤い顔で頷いた。

『あーええで』

まさかの作戦成功。

sh「ほんま！？」

まさか承諾を得られるとは夢にも思っておらず、身を乗り出した。

『うん～。で、なんの話やったっけ』

sh「うわ～嬉しいわ！言質取ったからな俺」

これだから馬鹿は。

酔いが覚めたAがこの話を聞いたとき、
「だから馬鹿はこういう目に合うんだよ」
と笑ってやってほしい。

どっち道、彼の革命へのカウントダウンは始まっている。
この日を境に彼の人生は良くも悪くも大きく変化を遂げるのである。

『ｷﾞｬｯエビの尻尾が目に入った！』

これはAという名の一人の男の、波乱万丈の物語である。

馬鹿がはしゃぎ回るだけですがどうぞ最後までお付き合いください。