【d!】弟扱いするんじゃない【男主】 (ページ17)

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■ ページ17

『遅刻遅刻遅刻遅刻遅刻』

駅前を全力疾走しながらですまんな。

時計は18時半を回ったところ。俺は電車で寝過ごし集合時間に遅刻しそうなのだ。
なのだじゃないよ、焦ろよ。

最悪だ。

最悪を通り越して虚無だ。

なんてったって今日は歓迎会の日なのだ。わざわざ俺のためにみんな集まってくれたのに！
主役が遅れて登場なんて漫画じゃないんだから…。

『絶対シャオちゃん怒るな～
あぁ、こうなる事ならもっと早く家出ればよかった』

こんな流暢に喋ってるけど全力疾走してるからな俺。
ひとまず喋っている暇はない。
走れA (俺はメロスだった) (違う) (シャオロンはセリヌンティウス)

『あっ、あれか居酒屋「不人気」って』

コーナーで差をつけながら看板を確認すると指定された居酒屋らしきものが見えた。
名前に既視感を覚える居酒屋に到着し、息を整えながら店内に入る。
集合時間より5分遅刻してしまった。

奥の個室にいるとのことなので探してみると一際声のでかいグループを発見した。
絶対アレだろ。

『ごめん、遅刻した！』

kn「お！主役が到着したで！」

tn「お～ま～え～！遅刻やんけ～！」

ut「随分と舐めた真似しとるやん、なぁ」

案の定この人たちだった。

到着すると各々が赤い顔で喋り出し、着席するように促した。もしかしたら既にアルコールが入っているのかもしれない。

gr「遅刻したAくんはお誕生日席で」

sh「Aく～ん」

ut「Aくん素敵！」

『いや～ははは(乾いた笑い)』

指定された席に座るとトントンからメニューが渡され、お酒を選ばせてくれた。
喉乾いてるからビールでいいや。

gr「じゃあとりあえず、Aも到着したことだし」

tn「おん」

rb「せやな」

kn「うん」

gr「乾杯！」

「「「かんぱーい！」」」