スカウト ページ3
you side
私､伊藤名前1はずっと芸能界に憧れていて、
中2の時にある有名事務所のｺﾝﾃｽﾄを受けた｡
結果は準ｸﾞﾗﾝﾌﾟﾘでﾀﾚﾝﾄの卵として入所した｡
ﾆｭｰｽや記者会見､雑誌…｡
たくさんのｲﾝﾀﾋﾞｭｰを受け､
めまぐるしい日が続いていた｡
そんなｲﾝﾀﾋﾞｭｰ漬けの毎日が落ち着いた頃､
私は急に事務所に呼び出された｡
社長室に入ると､
社長と小柄なお爺さんが座っていた｡
社｢名前1｡今日は大切な話があって来てもらった｡｣
あ｢大切な話…ですか?｣
爺｢…youは新しい事にﾁｬﾚﾝｼﾞする事をどう思う?｣
あ｢新しい事?｣
爺｢youの正直な気持ちを聞きたいんだ｡素直に答えて欲しい｡｣
あ｢…凄く良い事だと思います｡ﾁｬﾚﾝｼﾞして､進化していかなければ､良いﾓﾉは創れないと私は思います｡｣
爺｢youに決めたよ｡｣
あ｢えっ?｣
爺｢明日､この場所にこの時間､来てくれ｡動ける格好で来てくれたら良いから｡じゃあ､また明日｡｣
そう言い､
小柄なお爺さんは社長室を出て行った｡
お爺さんが置いて行った名刺程の大きさの紙を見ると､
[ｼﾞｬﾆｰｽﾞ事務所/8F 810号室/AM 9:00]
と書かれていた｡
ｼﾞｬﾆｰｽﾞ…事務所…?
ｼﾞｬﾆｰｽﾞ事務所って､あのｼﾞｬﾆｰｽﾞ事務所?
あ｢社長､どうゆう事ですか?ｼﾞｬﾆｰｽﾞ事務所って男性だけなんじゃ…?｣
社｢どうやら､ｼﾞｬﾆｰさんはｼﾞｬﾆｰｽﾞ事務所に女性ﾀﾚﾝﾄを所属させて新しいｽﾀｲﾙをつくりたいらしい｡それも､何人か入れるのではなく､紅一点にして注目を浴びるようにしたいと話を持ちかけられたんだ｡｣
あ｢…｡｣
社｢たくさんの事務所を回って新人の子に同じ質問をする｡さっき名前1が聞かれた質問と同じ質問を｡多分､その中で名前1の答えが一番ｼﾞｬﾆｰさんにﾋｯﾄしたんだろうね｡｣
あ｢…｡社長､私はどうすれば…?｣
社｢名前1のような大型新人を失って､事務的には苦しいが､これもきっと運命なんだろう｡ｼﾞｬﾆｰｽﾞ事務所で頑張っておいで｡｣
あ｢わかりました｡ありがとうございます｡｣
私は社長に頭を下げてから､
社長室を出た｡
家に着き､
携帯を確認すると私のお世話係をしてくれていた事務所の方からﾒｰﾙが来ていた｡
内容は､
《今までｲﾝﾀﾋﾞｭｰを受けた記者会見や雑誌等は放送または販売されない｡》
そう書かれていた｡
明日から第二の人生が始まる｡
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作者名：Shu-kA | 作成日時：2017年7月19日 14時
