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伊弉冉一二三編 君の酸素で息をするLast Episode said Heroine ページ27

『…ん、あれ?え?…また?先生の前で、居眠り?』
「Aさん。君に真実を話そう。」
『どういう事ですか?』








『…そうですか。私の中にヒプノシスマイクが…。』
「どうやら、完全に記憶を取り戻す事は出来なかったようだね。すまないね。」
『いいえ。少なくとも1月の記憶は思い出せました。…でも、独歩も記憶を消されていたのですね。』
「…独歩君の記憶はどうする?思い出させるかい?」
『………いえ。私は、一度でも彼を裏切った。きっと優しいあの人は許してくれるだろうけど、私が私を許せない。だから、忘れさせたままでお願いします。』
「…やはり、同じような事を言うんだね。君達は。」
『…え?』
「いや、何でもないよ。しかし、体内にヒプノシスマイクか…。今思うととても興味深い。」
『私は不思議な感じがしますけどね。もう一人の自分かぁ…。会ってみたいとは思いますけど。』




「明日がちょうど退院日だけど、本当に今日で良いのかい?」
『はい。一二三君には悪いな、とは思いますが。…今、もう一度会ってしまったら私、今度こそ捕まってしまうかもしれないのです。』
「そうか。…もし、何か体に異変があったら何時でも来なさい。事情を知る人が診た方が都合が良いしね。」
『ありがとうございます寂雷先生。お世話になりました。』


私は、ふと思いだし寂雷先生に紙袋を渡す

『実は先日帰宅をした時、作ったチョコです。今日はちょうどバレンタインなので。先生と独歩と、…一二三君に。』
「おや。嬉しいね。こんなおじさんにもくれるのかい?」
『…ふふ、何言ってるんです?先生まだお若いじゃないですか。…では、私はこれで。』


私は踵を返し帰路を進む

マンションの部屋を売り払って
あとは仕事先も変えないと



何かが吹っ切れた私の足は思った以上に軽かった









said Hifumi


「…え?退院、した?」
「彼女たっての希望でね。」
嘘だ
だってあの子は弱い
俺っちが守らないと壊れてしまう


俺っちがあの子の酸素にならないと死んでしまう

誰が?

Aちゃんが

本当に?




ああ、そうか
そうだったのか





彼女が酸素を欲したんじゃなく

俺っちが酸素を欲したんだ





俺っちは彼女が作ったというチョコを食べる


「は、はは、しょっぱい…。Aちゃん、砂糖と塩、間違えたのかな…。」
俺っちの瞳から流れる液体は留まる事なく溢れた



伊弉冉一二三編完


君の酸素で息をする
  酸素ボンベは消失した

入間銃兎編 ダストボックスの住人Ep1 said Heroine→←伊弉冉一二三編 君の酸素で息をするEp7 said Heroine



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おこめ(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます!ほわぁっ!?こんな駄作を面白いと評価していただいてありがとうございます!ご期待に添えるよう頑張ります! (2019年12月11日 7時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - タイトル見てすっ飛んできました。新鮮なお話でめっちゃ面白いです~!これからの展開が物凄く気になります。更新応援してます! (2019年12月10日 23時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 猫腹さん» コメントありがとうございます!凄く励みになります!頑張りまぁっす!! (2019年12月7日 20時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
猫腹(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く好きです、頑張ってください (2019年12月7日 19時) (レス) id: 437f4e7ef6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おこめ | 作成日時:2019年12月5日 23時

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